バークシャー・ハサウェイがプレシジョン・キャストパーツ・コーポレーションの買収に多額の資金を必要とすることから、米大手信用格付会社スタンダード&プアーズ(S&P)が信用格付けを降格させるのではないかという懸念が持ち上がっていた問題で、 S&Pは現在の格付け(AA)を維持する一方で、「見直し期間を90日延長し、財務状況をつぶさに監査する」というコメントを18日に発表した。

この問題は、 プレシジョンの買収が合意に至った夏頃から持ち上がっていた。主に航空機向けの金属パーツの製造を営み、2014年には総収益96億1600万ドル(約1兆 1854億円)をあげたプレシジョンだけに、買収価格は破格の320億ドル(約3兆9461億円)と、大物投資家ウォーレン・バフェット氏にとっても過去最高の買値で買収が決定。

これを受けてバークシャーには「クレジット・ウォッチ・ネガティブ(信用格付けを格下げの方向で見直すこと)」のレッドカードが出されることになった。


見直し期間延長でマイナス要素を検討

プレシジョン買収によって生じうるマイナス影響や負債金額を再評価の基準するほか、バークシャーの保険事業やキャッシュ、利益、キャッシュフローなども逐一チェックし、マイナス要素が1つか2つ発見されれば降格は間違いないという。

S&Pの信用格付けは10ランクに分かれており、AAはトップ3の位置づけとなる。バークシャーには2010年まで最上級のAAAが付与されていたが、バフェット氏が追加負債をかけて米鉄道会社BNSFの買収に乗り出したため、降格される結果となった。


S&PのAAAを維持しているのは全米で3社のみ

信用格付けは企業が融資を受ける際、利率を大きく左右する重要な目安となる。格付けが高ければ高いほど支払い能力が高いと見なされ、金利が低くなるという仕組みだ。

しかしS&PのAAAを維持するのは至難の業だといわれており、ここ数年で多数の企業が降格している。現在米国ではジョンソン&ジョンソン、エクソン・モービル、マイクロソフトと、わずか3社のみに付与されている。

2つのネガティブ要素でバークシャーが格下げされることになるA+は、企業の「投機性」を示唆し、位置付けとしてはトップ6までダウングレードする。

P&Sと並ぶ大手信用格付会社、ムーディーズの投資サービスはトップ3のAA2、フィッチ・レーティングスはトップ4にバークシャーを格付けしている。 (ZUU online 編集部)

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