プロパティ,上場

(写真=PIXTA)

プロパティエージェント<3464> のIPOが承認された。上場日は12月22日、上場市場はJASDAQスタンダードだ。同日には、ソネット・メディア・ネットワークス <6185> もマザーズ市場にて上場予定となっている。

今回はプロパティエージェントのIPOについて掘り下げる。

【目次】


>> プロパティエージェントの上場はどう魅力的なのか?

プロパティエージェントの事業紹介!

プロパティエージェントは、2004年に設立された投資用マンションのデベロッパー。資産運用型不動産(マンション)を開発・販売しているほか、不動産の賃貸管理や賃貸仲介、建物管理などのサービスを提供している。2015年3月期の売上高構成比は、不動産開発販売事業94.6%、プロパティマネジメント事業5.4%となっている。

【不動産開発販売事業】

不動産開発販売事業では、東京23区と横浜周辺の資産運用型不動産を販売している。マンションブランドは「クレイシアシリーズ」。主に用地仕入から物件開発を行っており、資産性の高い一棟マンションの中古物件を仕入れることもある。主な収益は不動産の販売収益だ。

【プロパティマネジメント事業】

プロパティマネジメント事業では、賃貸管理・仲介サービス、建物管理サービスを提供している。主な収益は、賃貸管理における手数料収入や家賃収入、賃貸仲介手数料収入、管理組合からの管理受託手数料収入である。

プロパティエージェントの意外な一面とは

同社代表取締役の中西聖(なかにし・せい)は1977年高知県生まれ。城西大学大学院経営学研究科イノベーション専攻修了(MBA)、明治大学大学院グローバルビジネス研究科修了(MBA)という経歴をもつ。実は、元フリーアナウンサーでタレントの山本モナ氏の夫でもある。

会社の横顔はというと、就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」が2015年10月に発表した「平成生まれ版:働きがい企業ランキング」において、プロパティエージェントは5位にランクインしている。社員による会社評価では、「20代成長環境」「人事評価の適正感」「社員の士気」といった項目で高い評価を得ており、社員にとって満足度の高い会社であることがうかがえる。

懸念される不動産市場

プロパティエージェントの業績は好調を続けているが、J-REITの頭打ち感は懸念材料となっている。全般的に見るとオフィスでは堅調が続くが、住宅や物流、商業では賃料が上がりにくくなっており東証REIT指数にも影響している。

不動産市況は良いと見られているものの、人気はいまひとつ。背景には、先に述べた東証REIT指数に見る頭打ち感、さらには、杭打ちデータの改ざん問題などもあると見られる。さらには人手不足などによる工費の上昇、仕入価格などコストの上昇も影響を与えており、同社の今期予想は減益となっている。

プロパティエージェントIPOの魅力

今回、プロパティエージェントのIPOが承認されたが、IPOには急落するリスクがある反面、「勝率が高い」「初値高騰の可能性もあり得る」といった魅力がある。通常の株式投資に比べ、高い確率で勝てるとも言われている。

同日、ソネットグループのインターネット広告事業会社であるソネット・メディア・ネットワークスも上場する。業態人気の高さから、プロパティエージェントはその陰に隠れてしまいそうである。しかし、これまでの業績進捗率が高い点や働きがい企業ランキングに上位ランクインしている点では評価できる。企業としての魅力がどう判断されるか、見物である。

IPO後は一体どうなるのか

今期の減益予想は気になるところだが、果たしてどのような初値がつくだろうか。JASDAQ市場への上場であるため、マザーズ市場に比べて初値パフォーマンスは期待できないかもしれないが、上場規模が小型であり、プラスリターンとなるか要注目である。


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