米スタートアップ会社グレイルが開発中の血液中からがん細胞を早期発見する最新のリキッドバイオプシー(液体細胞診)に、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏とAmazonのジェフ・ベゾスCEOが100億ドル(約1兆1835億円)を投じたことで、医薬業界という枠組みを超え「新な投資商品」として投資業界の注目を集めている。

スキャンでもキャッチできないがんを発見

米CNNなどの報道によると、グレイルは米ゲノミクス会社イルミナが誇るシーケンシング・テクノロジーを遺伝子研究に活かす目的で、子会社として設立されたばかりだ。

リキッドバイオプシーの原理を採用して、血液中に存在する特定の遺伝子変異を測定することで、スキャンでも発見不可能な非常に初期の段階でがん細胞を確認することができるという。

この検査法自体は以前から広範囲にわたって研究、開発が進められているが、現時点ではコストが非常に高くつくという理由で、一部の緊急を要する患者の検査にのみ採用されてる。

グレイルはこうしたコスト面の問題をクリアし、2019年までに同様の検査を1000ドル(約11万7700円)以下で提供することを目標としているが、米食品医薬品局(FDA)に検査の安全性や精密性を立証することが、今後最大のハードルになると予想される。

2人の著名ビリオネアのサポートを追い風に、グレイルの会長に就任が予定されているイルミナのジェイ・フラットレーCEO は、「次世代シーケンス(NGS)を用いて、あらゆる種類のがんスクリーニング検査に革命をおこす」と意気揚々だ。

今後の展望としては、1年間にわたり複数の種類の腫瘍にアッセイ(分析)を行い、2017年から何十万にもの患者や健康な人々を対象とした大規模な臨床試験を実施。その後、最も有効と思われるサンプルのみに絞りこみ、2019年には少なくとも1種類のがんに有効な検査の提供を開始する予定である。

一方2005年のビル&メリンダ・ゲイツ財団設立以来、世界中の病気や貧困と戦っているゲイツ氏は、マーク・ザッカーバーグCEOとともに地球温暖化問題に取り組む「ブレイクスルー・エナジー・コアリション」を立ち上げ、テクノロジー・エクゼクティブとしてベゾスCEOも名を連ねている。(ZUU online 編集部)

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