変形ウイルス――「ベター」は「ベラー」になる

英語の「t」は本来とても強い子音なのですが、母音に挟まれるとやわらかくなり、日本語の「ラ行」の音に聴こえます。「water」が「ワラー」に、「better」が「ベラー」に聴こえるのは、その代表例。「put it(プリッ)」など、2語が続く場合も同様です。また、後ろに「l」(エル)が来た場合も同じ変化が起こります。

[t]が母音に挟まれると、「ラ行」に聴こえる。
例「matter(マラー)」「letter(レラー)」

2語続いている場合も同様に変化する。
例「put it(プリッ)」「get over(ゲローヴァー)」

[t]の後ろに[l]がくると、[t]の音がやわらかくなる。
例「little(リルル)」「settle(セルル)」「subtle(サルル)」「cattle(キャルル)」

連結ウイルス――「ノット・アット・オール」は「ナラロー」

話すスピードが速くなると、前と後ろの単語の「間」がなくなり、「check out」が「チェッカウッ」のように、くっついて1つの語のように聴こえます。とくに「not at all(ナラロー)」のように3語以上が連結すると、まったく違う音に聴こえます。一つひとつの単語を別々に聴き取ろうとしないのがコツです。

[k][p][t][s][d][g][v][z][ch][sh]などの子音と母音がつながる。
例「check out(チェッカウッ)」「hang up(ハンガッ)」

[r][l]と母音がつながる。
例「far away(ファーラウェイ)」「for a while(フォラワイル)」「tell us(テラス)」

[m][n]と母音がつながる。
例「Join us(ジョイナス)「Come up(カマップ)」

3語以上の音がつながる。
例「in an hour(イナナウア)」「not at all(ナラロー)」