英国家統計局が昨年11月に発表した「2015年所得データ」が明らかになり、英国で最も高収入職業はパイロットと航空技術者(年収約1543万円)で、チーフ・エグゼクティブ(最高経営責任者、年収約1354万円)より上であることが分かった。3位が航空交通管制官(年収約1286万円)で、航空関連が高給取りのようだ。
これらが「1000万クラス」のほか、ファイナンス、マーケティング、IT、医療、公共機関(官庁、公益法人、学校法人など)といったカテゴリーが、英国における高収入職業の代表であることがよく分かる。
そのほかランクインは果たせなかった人材育成マネージャー(44166ポンド/725万3406円)やビジネス・アナリスト(3万7498ポンド/約615万8317円)に加え、政治家(6万7060ポンド/約1101万382円)やロイヤルファミリーが「一般職」と見なされず、ランキングの対象外となったのは残念だ。
意外なことに日本では高収入職業の代表的位置づけにある建築士は、年間平均所得が4万ポンド(約656万9222円)、公認会計士は3万3638ポンド(約552万4387円)と英国ではランキング圏外となっている。
昨年の年間平均所得は2003年より9万円減
英国における昨年の平均常勤従業者収入は2014年から1.8%増の年間2万7531ポンド(約452万1431円)と、2008年のリーマンショック以降最高水準に達したが、第4四半期のGDP成長率が3.8%と絶好調の伸びを見せた2003年と比較すると、521ポンド(約8万5564円)減っている。
全国の週平均では528ポンド(約8万6713円)という計算になるため、トップ20入りを果たした職業は3倍から2倍の所得だ。
「男女格差」は英国でも根強く残っており、同じ職種でも女性は男性に比べ年間所得が平均5214ポンド(約85万6298円)少ないことが報告されている。
高所得職業トップ20
(週平均)
20位 歯科医 904ポンド(約14万8556円 / 年収約775万円)
19位 医療従事者 906.70ポンド(約14万9000円 / 約777万円)
18位 高等教育教員 907ポンド(約14万9049円 / 約777万円)
17位 消防正監および拘置所係将校 908ポンド(約14万9213円 / 約778万円)
16位 ITプロジェクト・マネージャー 940.90ポンド(約15万4620円 / 約806万円)
15位 電車の運転手 952.20ポンド(約15万6477円 / 約816万円)
14位 教科主任 1002.90ポンド(約16万4808円 / 約859万円)
13位 金融機関マネージャー 1034.90ポンド(約17万67円 / 約886万円)
12位 行政府保護局シニア・オフィサー 1076.80ポンド(約17万6952円 / 約922万円)
11位 ブローカー 1149.90ポンド(約18万8966円 / 約985万円)
10位 巡査長 1153.30ポンド(約18万9524円 / 約988万円)
9位 ファイナンシャル・マネージャー 1169ポンド(約19万2104円 / 約1002万円)
8位 医師 1192.80ポンド(約19万6015円 / 約1022万円)
7位 ITディレクター 1251.60ポンド(約20万5678円 / 約1072万円)
6位 広告、PRディレクター 1253.10ポンド(約20万5924円 / 約1074万円)
5位 弁護士 1293.60ポンド(約21万2580円 / 年収約1108万円)
4位 マーケティング、セールス・ディレクター 1341.70ポンド(約22万0484円 / 年収約1150万円)
3位 航空交通管制官 1,500.80ポンド(約24万6630円 / 約1286万円)
2位 チーフ・エグゼクティブ 1580.70ポンド(約25万9760円 / 約1354万円)
1位 パイロットおよび航空技術者 1800.90ポンド(約29万5945円 / 約1543万円)
(ZUU online 編集部)
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