韓国証券取引所(KRX)が窓口専用のブロックチェーン・トレーディング・プラットフォームの開発に乗り出したことが分かった。韓国日報(コリア・タイムス)紙によって報じられたもので、KRXはディーラー側のコスト削減とトレード・パートナー探しに費やす時間の節約を図る目的で、ビットコインを含むデジタル通貨と同様のコードを用いた新型プラットフォームの開発に着手している。「手探りで進行させている初期段階だが、完成すれば窓口で取引を行うディーラーに歓迎されるだろう」と大きな期待を寄せている。

ブロックチェーンを証券取引に採用するという発想自体は、昨年11月にNASDAQが米ビットコインAPIスタートアップ、Chainと開発した未公開株式市場向けの分散型プラットフォーム『Ling』で実現しているほか、ブロックチェーン技術で証券取引効率化を試みるデジタル・アセット・ホールディングスのプロジェクトに、オーストラリア証券取引所がJPモルガンなどと共同出資中だ。

また2月16日には日本取引所グループも日本IBMとの提携により、ブロックチェーンの実証テストを来月から開始する意向を明らかにした。

豪州証券投資委員会の会長「リスクへの配慮も重要」

「運営コストがかかりすぎる」との理由で分社を余儀なくされた米オンライン通販大手、オーバーストックの暗号証券取引所「tO.com」という例もある。しかし韓国第3大手証券取引所に成長をとげたKRXならば、証券管理システムの再構成にブロックチェーンを上手く生かすことができるだろう。

豪州証券投資委員会のクレッグ・メッドクラフト会長は、「ブロックチェーンを含む様々なイノベーションを効果的に取り入れる環境を提供したい」とポジティブな姿勢を示す一方で、「イノベーションにともなうリスクへの配慮も重要である」とコメントしている。( FinTech online編集部

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