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(写真=PIXTA)

景気を先読みできれば、自社の業績にも活かせるようになり、資産運用にも役立つ。そのためにはどのような指標を見ればよいのか。

こうした景気の先読みを捉えるうえで5つの指標(景気の先行指標)を紹介したい。

・ GDP(国内総生産)
・ 日銀短観(特に業況判断指数)
・ 全国百貨店売上高
・ マンション契約率
・ 消費者物価指数

この5つの指標を理解し読み解くことで、その後の景気の状況を推測するのに役立つことであろう。それではこの5つについて解説していこう。

GDP(国内総生産)

GDPとは、ある地域や国において、一定期間(通常は1年間)に生み出された付加価値をさす。すなわち、最終的に作り出されたモノやサービスといった、付加価値の合計が分かるのだ。

GDPが増加しているかどうかは、その地域や国が経済発展しているかどうかの判断に利用できる。仮に継続して増加していれば、付加価値が増しそれに伴い経済が活性化する。つまり、景気も良い状況が続くと想定できる。一方で、GDPの減少は経済規模が縮小することを意味する。継続的に減少が続けば、不況となるだろうし、それに伴い私たちの給料も減る恐れが出てくるといえる。

日銀短観

正式名称を「全国企業短期経済観測調査」といい、日本銀行が四半期ごとに企業に行う統計調査である。

その中でも特に、「業況判断指数」に注目が集まる。業況判断指数とは、企業の規模別・製造業か非製造業かに区別し、景気に対して「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた数値のことだ。前回と比べて数値が増えていれば、今後の見通しも明るいといえるが、悪化していれば経営者が先行きに対して、悲観的となっている可能性がある。特に、大企業の見通しが厳しくなった場合には、景気の悪化も避けられない恐れがある。

全国百貨店売上高

全国百貨店売上高は、日本百貨店協会が全国の百貨店の売上高を集計したもので、毎月公表されている。これは個人消費動向を把握する指標として利用される。そのため、景気の判断を売上高が増加しているときは上向き、減少しているときは下向きと推測ができる。

なお、インバウンドの影響も受けやすいことから、海外旅行者数の動向には注意が必要だ。

マンション契約率

マンション契約率とは、不動産経済研究所が調査する新築マンションの契約率をさす。この指標では、70%が好調不調の分岐点といわれており、70%を超えた契約率があれば景気は良いと判断できる。

一方、この指標の注意点として、契約率はあくまでも発売した戸数に占める売れた割合を示すものである。今後発売予定のものは含まれていないため、景気動向を把握するうえでは景気を正確に把握する際には、不動産価格などの動向も合わせて確認することをオススメする。

消費者物価指数

消費者物価指数とは、総務省が日本国内のモノやサービスの価格水準を公表するものである。一般的に、景気が上向きになれば収入も上向きになるため、購買力が増し物価も上昇する傾向にある。一方、景気が悪化して収入が減少する場合には、物価も下がる傾向にある。そのため、物価が下がるデフレ現象が今後も続くとなると、景気は低迷する可能性があると判断できる。

先行指標はあくまで「現時点の」先行指標ということも忘れずに

以上、5つの先行きを示す指標について解説した。こうした先行きを示す先行指標は、捉え方を間違えなければ今後を占う上で大いに役立つことだろう。ただし、注意点がある。それは、あくまでも現時点での先行指標であり、その後の可能性を示したものに過ぎないということだ。

その後の政治情勢や経済情勢、地政学的リスクによっては、景気が様変わりすることもありえる。あくまでも可能性があるという推測の下で、景気の先行指標をチェックしてみてはいかがだろうか。(提供: 大和ネクスト銀行

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