「人生100年時代」という言葉が一般的になってきた。今まで投資に触れてこなかった人のなかにも、セカンドライフに向けて手元資金の運用を検討している人もいるだろう。もっとも、いきなりスタートしようとしても不安が多いはずだ。そこでこの記事では、セカンドライフに向けた資産運用における注意点を解説する。
セカンドライフに向けた資産運用における4つの注意点
今回は、4つのポイントに分けて解説する。なお本稿は、ある程度の手元資金 (現預金) が手元にある人を想定している。
●注意点1. リスク資産に投じる際は一度に1つに投じない
まず資産運用初心者は、一度に多くの手元資金をリスク資産に投じないようにしよう。リスク資産とは、資産価格が常に変動し、損失を被る可能性がある資産のことであり、リスク資産の運用には「慣れ」が必要だ。
手元資金のほとんどを一気にリスク資産に投じて、運悪く直後に急落したとしよう。資産運用に慣れていないと、不安や怖さから売却してしまう (資産運用の世界では「狼狽売り」と呼ばれている) かもしれない。結果的には素早く売却することで損失の拡大を防げることもあるが、これではセカンドライフに向けて資産を増やすどころか、大きく減らしてしまいかねない。
経験を積んでも確実に利益を出せる保証はないが、経験を積んでいないときよりは適切な選択ができるだろう。一度に多くの手元資金をリスク資産に投じるのではなく、少しずつ運用額を増やしていき、徐々に資産運用に慣れていくのが賢明だ。
また、「特定の資産に集中投資をしない」ことも重要だ。たとえば、1つの銘柄に手元資金のほとんど (もしくは全部) を投資することは避けたほうがよい。
特定の資産に資金を集中すると、その資産の価格が下落したときに大きな損失を被り、セカンドライフに向けた資産運用計画が破綻してしまう。さまざまな資産に資金を分散しておけば、そのうちのどれかが下落しても、立ち直れないほどのダメージを受ける可能性は低いため、分散投資を徹底すべきだろう。
●注意点2. 商品が自分の状況や希望にあっているか確認する
資産運用初心者は、金融機関の営業マンに魅力的なセールストークで金融商品を勧められると、言われるがままに購入してしまうこともあるだろう。しかし、営業マンはあくまで営業マンであり、投資家に金融商品を売るのが仕事だ。
良心的な営業マンもいるが、自分の状況や希望に適した商品かどうかは、自分で判断するようにしたい。わからないことや納得できないことがある場合は、それが解消されるまで営業マンに質問しよう。
●注意点3. 高利率 (高利回り) という文句にはリスクが潜んでいる可能性がある
商品紹介資料に高利率 (高利回り) と載っていると、魅力的に映るものだ。しかし、リターンの裏側にはリスクが存在する。高いリターンを期待するとリスクが大きくなり、大きな損失を被る可能性も高まる。高利率 (高利回り) の裏側には、リスクが潜んでいると考えるべきだ。
「ハイリターン・ローリスク」の商品は存在しない。高利率の商品自体は悪ではないが、魅力的な高利率が謳われていたら、飛びつくように購入するのではなく、商品の内容をしっかり確認しよう。
●注意点4. 損切りという概念を覚えておく
資産運用において、「売りのタイミングは買いのタイミングより難しい」と言われている。特に重要なのが、購入した資産が下落してしまった場合だ。資産運用初心者は売り時を逃して、塩漬け (含み損状態で保有し続けること) にしてしまうことが多い。
そこで覚えておきたいのが、「損切り」という考え方だ。「損切り」とは、損失を出すことは仕方ないと割り切って、含み損が出ている時に売却することだ。損切りをすれば損失が確定するが、新たな気持ちでその資金を別の商品に投じることができる。
「損を確定させたくない」という気持ちから、なかなか損切りに踏み切れないこともあるので、「買値から○%下落したら損切りする」といった定量的なルールを設けておくとよい。
焦らずリスクを抑えた商品から始めてみよう
セカンドライフに向けて資産運用をする際に気をつけたい5つのポイントについて解説した。上記のポイントも重要だが、「どの金融商品を購入すればよいか」が気になる人もいるだろう。
セカンドライフまで残された時間があまり長くない人は、まずは比較的安定した米ドル等での外貨預金を検討してはいかがだろうか。シンプルで、少額から試すことができるためリスクもあまり高くなく資産運用初心者の第一歩に適している。
焦らず少しずつ運用額を増やしていき、外貨預金などリスクがあまり高くなくわかりやすい商品から資産運用を始めてみよう。
(提供:大和ネクスト銀行)
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