高齢になると病院にかかることが増える。自己負担額は保険で少なく抑えられるものの、それでも収入が現役世代より減ると医療費を節約する視点が必要になってくる。本記事では、医療費の節約方法として「かかりつけ医」を持つことや「リフィル処方箋」を活用することなどを紹介していく。

医療費の自己負担率は低いが……

医療費の節約は「かかりつけ医」や「リフィル処方箋」で。デジタル活用法も紹介
(画像=SB / stock.adobe.com)

現役世代における医療費の自己負担割合は3割だ。しかし、70~74歳は原則2割 (※) 、75歳以上となると原則1割 (※) となり、都度の医療費の負担は相対的に減る。ただし高齢になって病院にかかる回数が増えると自己負担割合は小さくなっても意外と医療費がかさむ。しかも現役時代よりも収入が減ることを考慮すると、少しでも医療費を抑えられたほうが良い。

※一定以上の所得がある人は負担割合が増える

医療費を抑えるためセオリー

医療費を抑えるためのセオリーは、以下の2つだ。

大前提として心身の健康を保つよう努める

大前提として、心身の健康を保ち病院にかかる回数を減らすことが重要だ。具体的には、以下のようなことを心がけたい。

  • バランスのとれた食事を摂取する
  • 適度な運動を続ける
  • ストレス解消といった視点を持つ など

ジェネリック医薬品の利用

薬局で薬の処方を受ける際に「ジェネリック医薬品」を選択すれば、薬の費用が抑えられる。保険証やお薬手帳の余白部分に「ジェネリック医療品希望シール」を貼っておけば、都度ジェネリック医薬品を希望することを口頭で伝える必要がないため便利だ。

あまり知られていない節約方法

ここまでに紹介したセオリー的な方法のほかにも、あまり知られていない医療費の節約方法は複数ある。どのような仕組みで節約できるのか、具体例を挙げながら説明していこう。

「かかりつけ医」を持つ

普段から利用する「かかりつけ医」を持つことは、医療費の節約につながる。病歴や生活習慣、健康状態などを把握しておいてもらえるので的確な治療につながり、病院にかかる回数を減らせるだろう。また別の病院にするとその都度初診料がかかり、同じような検査をまた受けなければならなくなる。かかりつけ医を持つことで、こうした負担を最小限にできる。

「リフィル処方箋」を活用する

「リフィル処方箋」を活用した節約方法もぜひ知っておいてほしい。リフィル処方箋は、2022年度に導入された仕組みだ。通常、処方箋を受け取るためには、都度医療機関で診察を受ける必要がある。しかし、症状が安定している場合など一定条件下において病院でリフィル処方箋を出してもらえば、病院での診察なしで最大3回まで薬局で同じ薬の処方を受けることが可能だ。

2023年時点では、まだ普及率は高いとはいえないが、国が後押ししている制度であるだけに導入する医療機関は今後徐々に増えていくだろう。

「調剤基本料」にも注目を

普段は気にしたことがないかもしれないが、薬の処方を受ける際には「調剤基本料」がかかっている。薬の処方を受けたあと、一度明細書をしっかりと見てみてほしい。この調剤基本料は調剤薬局によって金額が異なっており、その差を知ることでどの薬局を利用すれば節約できるかが分かる。例えば自己負担が3割のケースで比較すると、以下の通りだ。

薬局の種類調剤基本料
小規模な個人経営の薬局126円
病院の前にある「門前薬局」78円
ドラッグストアのチェーン店の薬局48~96円
病院内にある「敷地内薬局」21円

自己負担が1割のケースで比較する場合は、これらがそれぞれ3分の1の負担額となる。

「服薬管理指導料」の節約にお薬手帳を

薬局を訪れる際には、必ず「お薬手帳」を持参するようにしたい。なぜなら薬の使用歴や副作用歴の把握のためだけではなく、お薬手帳を持参すれば「服薬管理指導料」が安くなるからだ。お薬手帳を持参するのが面倒な人や、普段から持っていくのを忘れがちな人は、お薬手帳のアプリ版をスマートフォンにインストールしておくのも手だ。

便利なものは活用するという視点も持とう

前項でお薬手帳のアプリを紹介したが、紙のものをアプリに変えると持ち運びの面倒さがなくなり、かつさまざまな機能を便利に使えるケースも多いため、大いに活用したいところだ。

近年は、例えば銀行などの金融機関でもアプリが用意されている。残高確認をしたい際に通帳代わりに使えるのはもちろん、資産管理や振り込みの面でも便利であるため、節約という視点とセットで便利なものはどんどん活用する考えを持っておきたい。

「知っている」ことの重要性

本記事で紹介した医療費の節約方法を知っていれば、ちょっとした工夫で医療費を抑えることができるだろう。同様にアプリの存在を知っているかどうかでも、より日常を便利に過ごせるかどうかが変わってくる。新しい制度やサービスに日ごろから興味を持ち、積極的に試す視点を持つようにしよう。

(提供:大和ネクスト銀行


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