パソコンの復旧やウイルス除去などの名目で金銭をだまし取る「サポート詐欺」。以前からあった手口ではあるが、近年相談件数が増えているという。サポート詐欺とは、いったいどのような手口なのだろうか。本記事ではサポート詐欺の詳細を解説し、被害に遭わないためのポイントについても紹介する。

サポート詐欺とは ?

シニアが気をつけたい「サポート詐欺」とは ? 被害に遭わないためのポイント
(画像=smile / stock.adobe.com)

サポート詐欺とは、パソコンなどでインターネットをしている際、ウイルス感染などを警告する偽の画面を偽のサポート窓口の電話番号とともに表示させ、電話をかけさせることで個人情報や金銭などをだまし取る手口だ。警察庁などでは、被害に遭わないように注意喚起している。

増える相談件数

独立行政法人情報処理推進機構 (IPA) が公開したデータによると、2023年10月におけるサポート詐欺の手口に関する月間相談件数は、過去最高の519件だった。相談は、2015年から寄せられ月間推移は右肩上がりの状況だ。

サポート詐欺の特徴

ここでは、サポート詐欺の特徴を具体的に説明する。

偽のセキュリティ警告画面の表示

サポート詐欺は、インターネットを閲覧中に偽のセキュリティ警告画面を表示し、不安をあおるところから始まる。セキュリティ警告画面では、以下のようなメッセージが表示され実在の企業ロゴを無断使用し信憑性が高いように見せかけるケースも目立つ。

  • ウイルスに感染しました
  • システムファイルの更新が必要です
  • 不正なアクセスを受けています
  • 無視すると被害に遭います
  • 対応しなければ個人情報が漏洩します

警告画面とともに警報のような音声が流れることもあるうえ、偽の警告画面は閉じにくいよう細工がされており、画面を消すことができない状態が続くことで不安がどんどん増してしまう。

有料サポート契約やソフトのダウンロードへ誘導

偽のセキュリティ警告画面では、偽のサポートデスクの電話番号が表示されていることが多い。促されるままに対応すると、ウイルスの除去費用や有料サポート契約といった名目で電子マネーやクレジットカード、各種ギフトカード、コンビニ決済などでお金をだまし取られかねない。また、対策ソフトと称するファイルのダウンロードを指示されるケースもある。

こういったソフトはいわゆる「遠隔操作ソフト」で、本ソフトによってパソコンの画面がリアルタイムに盗み見られる可能性がある。例えば、インターネットバンキングなどで借り入れをするよう誘導され、そのお金を詐欺口座に振り込ませようとするといった具合だ。

サポート詐欺に遭わないためのポイント

サポート詐欺に遭わないためには、どのような対策が考えられるだろうか。

警告表示が出たらブラウザを閉じる

偽の警告画面が表示されたら、すぐにブラウザを閉じることが賢明だ。偽の警告画面の表示方法によってブラウザの閉じ方は若干異なるが、パソコンがWindowsかつ全画面表示で偽の警告画面が表示されている場合などは、以下を参考にしてもらいたい。

<Escキーを使う方法>
①「Esc」 (エスケープ) キーを3秒程度長押しする
②画面の右上に表示された「×」 (バツ印) をクリックする

<パソコンを強制再起動する方法>
①「Ctrl」「Alt」「Delete」キーを同時に押す
②変わった画面で「電源アイコン」をクリックし、「再起動」をクリックする
③再起動後、ブラウザが以前の閲覧ページの復元をしようとした場合は、ポップアップ画面に表示された「復元ボタン」を押さず、右上の「×」 (バツ印) をクリックする

表示されたサポートに電話をかけない

基本的には、意図せず立ち上がった画面に表示されたサポート窓口の番号は、すべて偽物と考え表示された番号へ絶対に電話をかけないようにしたい。

偽の警告画面に企業ロゴが表示されており、不安を解消するためにその企業にどうしても問い合わせしたい場合は、公式の窓口をブラウザから自分で検索し見つけよう。そうすれば偽のサポート窓口に電話してしまうリスクを抑えられる。

電話をしてしまっても相手側の要求に応じない

仮に電話をしてしまった場合でも、慌てる必要はない。電話口の相手がソフトウェアやアプリのインストールを要求したり、ユーザーIDやパスワード、クレジットカード番号を聞きだそうとしたりしても、絶対に応じないようにしよう。

セキュリティソフト (アプリ) を入れる

パソコンの場合、セキュリティソフトはインターネットからダウンロードしたり家電量販店などで購入したりすることでインストールできる。スマートフォンの場合、Android端末では「Google Playストア」、iPhoneでは「App Store」が最初からインストールされているため「セキュリティ」などというワードでセキュリティアプリを検索し、インストールする流れだ。

電話してしまっても絶対お金は支払わないこと

こうした詐欺で個人情報がばれてしまい一度金銭を支払ってしまうと、その後もさまざまな手口で金銭を要求してくることが多い。もし記載されている番号に間違えて電話してしまったとしても、絶対にお金は支払わないことが大切だ。相手の話に耳を傾けず、すぐに電話を切ろう。

電話をかけた際、自分の電話番号を非通知にしていなかった場合は、あとで再度電話がかかってくる可能性もある。そのため、電話をしてしまった先の番号は必ず「着信拒否」に設定しておこう。これは、何度もかかってくるうちについ電話を取ってしまうことを防ぐためだ。

近年増加傾向のサポート詐欺だが、事前に手口の詳細や対処法を知っておくことで、被害に遭うリスクを軽減できる。この記事で紹介したポイントを押さえ、日頃から自己防衛の意識を高めていこう。また、家族や友人など身近な人が狙われても対処できるように、こうした情報は積極的に共有してほしい。

(提供:大和ネクスト銀行


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