デンマーク,不動産,コラム
シェラン島の風景(実際に売買された物件ではありません、写真=PIXTA)

デンマークで史上初のビットコインによる住宅売買が行われた。この117BTC(50万ドル/約5637万円)の大型ビットコイン取引は、デンマークの大手ブロックチェーン決済会社、Coinifyと不動産会社、Just-Soldグループの提携によるものだ。

Coinifyの特別監査(部)責任者、ジョセフ・バートラス氏は、ブロックチェーン特有の透明性を活かして、ビットコインを今回のような高額取引に利用することを提案している。

デジタル・トラッカー・システムで透明性を追求

世界で初めての「ビットコイン不動産取引」の対象となったのは、デンマーク最大の島、シェラン島にある物件だ。「ビットコインで支払いを」という顧客からの要望を受けたJust-SoldグループがCoinifyが商談をもちかけ、Coinifyがそれに応じる形で実現した。

マネーロンダリング対策として、デンマークでは1万5000ユーロ(約188万円)以上の商品購入の際に資金源の提示が求められる。しかし銀行などを通した通常の現金取引では、資金源の追跡が困難というのが実情だ。

「ビットコインが匿名化されているため、犯罪や不正行為に利用されやすい」という世間の思い込みが大きな間違いであることを、バートラス氏は指摘する。

Coinifyは米スタートアップ「Chainalysis」と呼ばれるデジタル・トラッカー・システムで見込み客の過去の取引をチェックするなど、透明性の追求を図っている。

ブロックチェーンを用いて安全かつ透明度の高い取引を行うことが可能となれば、バートラス氏の提案通り、今後は様々な高額取引にビットコインを始めとする仮想通貨が用いられる日も、そう遠くないのかも知れない。

Coinifyは今年1月、ベトナム初のビットコイン取引所を開設したスタートアップ、ビットコイン・ベトナムCo. Ltd.と提携関係を結んだ。自社の高性能なマーチャン・プロセシング・ツールを提供するなど、ベトナムにおけるビットコインの促進にも大きく貢献している。( FinTech online編集部

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