月間ユーザー数が7億人弱という中国発の大人気アプリ「We Chat」。それを上回る勢いで急成長を遂げているのが、決済アプリ「We Chat Wallet」だ。
今年1月の取引総額だけでも460億ドル(約5兆1290億円)、収益は45%増と過去3年間で最高の伸び率を見せている。米ロイター通信は今年1年間の取引総額が少なくとも5560億ドル(約61兆9940億円)に達すると予想している。
実現すれば、オンライン決済のパイオニアPay Palの昨年の取引総額(2280億ドル/約25兆4220億円)の2倍という驚異的な記録を弾きだすことになる。
ミレニアル世代の支持を圧倒的に集めるWe Chat
2011年に中国の大手IT企業、テンセント(騰訊)が世間に送りだしたWe Chatは無料チャットアプリだ。ちょうど「LINE」のようなものと考えればいいだろう。14年にはミレニアル世代の需要に応える目的で、決済アプリWe Chat Walletを誕生させた。
手数料の低さ(0.1%)はもちろん、メッセージを通して簡単に送金ができるほか、ショッピングの支払いやタクシーの予約まで可能という多機能性で大ヒット。中国の旧正月にあたる2月には「お年玉送金機能」も追加されるなど、斬新なアイデアでますます人気が高まっている。
この快進撃に気が気でないのはPay Palだけではないだろう。We Chat Walletの今年の見積もり取引総額は、中国最大のモバイル決済サービス「Alipay(アリババ)」の2013年の取引総額(5119億ドル/約57兆769億円)をはるかにしのぐ数字だ。
Alipayはその後スマホ決済にもサービスを拡大しているため、数字に何らかの動きが見られていることが予測できるが、正確なデータは公表されていない。
そのほかの関連収益も順調な伸びを見せている。We Chatのオンライン広告による収益は57億元(約8億8030万ドル/981億5444万円)と前年の2倍、当期純利益は2割増しの71億6000万元(約11億579万ドル/1232億9563万円)だ。
2月にはApply Payも参入しており、中国モバイル決済史上が史上最高レベルにまでに加熱するのは間違いない。( FinTech online編集部 )
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