社債,EB
(写真=PIXTA)

年初来から冴えない株価にマイナス金利政策も相まって、社債のパフォーマンスが芳しくない。EB債に至っては6割が元本割れというデータもある。アベノミクスによる株価上昇から状況が変わりつつある現在、社債投資のスタンスを見直すべきといえるかもしれない。

EB債は6割元本割れ CB債は株式転換期待できず

株価下落の影響を直接的に受けているのは「他社株転換社債」(EB債)だ。3月15日時点でEB債の残高は約3060億円あったのだが、その約6割にあたる1800億円強が元本割れしている状況と報じられている。

EB債は、特定銘柄の株価に連動して償還の条件が変わる金融商品。期日に株価の動きが一定の設定水準より高いと元本と利息が現金で償還されるが、逆に水準より低いと元本は得られず、株式と利息で償還される。その損失を引き受けなければいけないため、代わりに利回りは高めと考えられてきた。

債券の性質上、株価には大きく影響を受ける。このため株価下落の影響が直撃しているのだ。特にソフトバンク、川崎汽船などいわゆる景気敏感株に転換される銘柄のEB債が下落の中心となっている状況で、2015年6月につけた18年ぶりの高値から20%近く、また年末大納会の終値からでさえ10%近く下落している。

また「新株予約権付社債」(転換社債、CB)もまた、少なからず投資家の方針を狂わせている可能性がある。CB債は、満期まで持ち元本と利息を受け取ることもできるが、株価が上昇した場合、株に転換することで値上がり益を得られる。このため、アベノミクスによる株価上昇を期待し、株式への転換を当て込んでいた投資家も少なからずいると見られるからだ。

また「普通社債」については、社債の発行自体が減っている。低金利下で社債を発行しても、資金が集まらないことが懸念されるためだ。2月上旬の起債を予定していた大和証券グループ本社、西日本旅客鉄道、日本通運、東北電力、北陸電力など5社が発行条件を決めたのは2月19日。5社に限らず今後も、新発発行は当面は大幅に減少しそうな状況だ。

アベノミクスが始まった2012年末から株価は上昇傾向を保ってきたが、かつての勢いはない。伝家の宝刀として踏み切られたマイナス金利の導入も、効果は限定的のようだ。昨年までとは、株式市場の流れが変わったことから、社債に対する投資スタンスも見なおすべきにあるといっていいだろう。(ZUU online 編集部)


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