最大30%のビットコイン決済割引が受けられるeマーケット「パース・マーチャンツ(Purse Merchants)」が誕生した。「世界最大のビットコインeマーケット」をうたい文句に、Amazonで販売されている商品にもビットコイン割引価格を適用するなど、本格的な仮想通貨ユーザーの拡大戦略を打ち出している。

テスト運転の数カ月間で700万ドル(約7億8645万円)を売上げており、人気の秘密は、手軽さ、豊富な品揃え、低コストの3点だ。eBayやAmazonの巨大eマーケットを凌ぐ勢いで急成長中である。

手数料の安さと安全性に自信

パースは差別化戦略の一環として、出品無料システムを採用している。このシステムは、取引成立後に1%の販売手数料を支払うだけというものだ。競合他社が出品や販売のプロセスに3.5%から最大45%の手数料を課していることを考えても、優位性はあるだろう。

初期費用も一切なく、ビジネスツールとして利用したい場合には特典付きの「ベーシック」と「プレミアム」パッケージを利用することができる。これらのパッケージも月額利用料が10ドルから20ドルとお手軽価格になっている。ユーザーは登録の際に銀行口座などの情報を入力する必要がなく、セットアップは数分で完了し、すぐに売買を始めることができる。

ビットコイン大手、コインベースのブロックチェーン・エスクローという仲介サービスを使って決済をおこなっている。買い手が仲介業者に代金を支払い、その後売り手が商品を発送し、買い手が商品を受け取ったという報告があると売り手に代金が支払われるので、安全性を徹底的に確保している。一足先にオープンした世界初のビットコインeマーケット「オープン・バザー」などでは、取引のすべてがユーザー間のみで行われるため、信頼性はあるのか、トラブルは起きないかなど不安を抱くユーザーも多い。パースはこうした部分に着目し、「顧客の満足度」と「利便性」を兼ね備えたサービス提供に重点を置いている。

カリフォルニアに本社を置くPurse.ioは当初、ビットコインとAmazonのギフト券の交換サービスを開始し、600万ドル(約6億7410万円)の売上げを記録した。その時はまだオフィスはなく、喫茶店が彼らのオフィスだった。その後、ビットコインとバーゲン価格を組み合わせるという発想から、前述の「パース・マーチャンツ」を立ち上げるに至った。

3月31日、晴れて一般ユーザーも利用可能なオープン・マーケットとなった。

同社CEOアンドリュー・リー氏は「誰もが気軽に安全に売買を楽しめる理想のオンライン・プラットフォーム創り」を目指している。「パースという新しい仮想通貨eマーケットを生み出したことで、その夢に1歩近づいた」と満足そうだ。( FinTech online編集部 )