ビットコイン
(写真=Thinkstock/Getty Images)

インターネットを中心に、普及も進みつつある仮想通貨「ビットコイン」。すでにご存知の方も多いだろう。

「最も代表的な」あるいは「仮想通貨の象徴」にもなっており、認知度も日々、高まっている様子だ。日本発の仮想通通貨の「モナコイン」などほかの仮想通貨もあるにはあるが、ビットコインが圧倒的に大きな認知度を得ているといっていいだろう。

また仮想通貨そのものの社会的な問題として注目を集めた経緯もある。2015年の夏には、世界最大のビットコイン取引所だったマウントゴックスで管理していた仮想通貨の一部が失われたり、同社の元社長が逮捕されたりするなど、ニュースでも大きく取り上げられた。その結果、ごくごく一部でしか知られていなかった仮想通貨も、脚光を浴びることになった。

マウントゴックス事件で注目を浴びたビットコイン

同社のビットコイン消失と元社長の逮捕事件をもう少し詳しく見てみよう。そもそも、2015年2月に、顧客の85万コイン(当時の価格で約470億円)を「なくした」と民事再生法適用を申請していた一方で、同社の社長を務めていたマルク・カルプレス氏に詐欺容疑もかかっていたのだ。

しかし、結果として元社長の逮捕に発展したことから、一般的な目線からは「胡散臭い」「信用できない」といった、ビットコインに対するネガティブな印象を広く植え付けたことは間違いないだろう。

他方で、擁護・推進派は、マウントゴックスの事件をあくまで運用上起きた問題だとしている。別の言い方をすれば、「ビットコインそのものは非常に安全で利用価値がある」と擁護派は主張しており、論争のある仮想通貨・ビットコインの行方がどうなるのか注目されており、さまざまなところで話題になっているともいえるだろう。

ビットコインと「金」の類似点とは?

ビットコインに関するキーワードは「透明性」「匿名性」「利便性」「非中央管理」などだ。が、まずは「金(ゴールド)」のようなものだとすると、より分かりやすくなるだろう。

一般的な「通貨」は中央銀行が発行し(日本であれば、日本銀行が発行し、その根拠は日銀法)、国家が通貨の価値を保証し、「価値」を裏書きしているのだ。その上で、さまざまな取り引きにおいて、対価として使用されるのが通貨となっている。

一方、金はどうだろうか。ゴールドは歴史的にも価値ある貴金属とされ、集中的に管理している組織はく、需給に応じて市場価格が決まる。つまり、金の価値を裏書きする特定の政府はなく、市場でその価値が決まる。ビットコインもこの点では同じで、一定の価値で市場で取り引きされるのだ。

また、ビットコインはいわゆる「電子マネー」ではない。電子マネーは特定の通貨によって価値の裏付けが行われているのに対して、ビットコインはそれ自体が価値を持つからだ。

ただ、「金」であれば貴金属だと誰もが認めるが、ビットコインはそうではない。日本社会での評価も変わりつつあるが、この仮想通貨の価値を保証するのが「ブロックチェーン」で、いわば「総元帳」の役割だ。

「総元帳」とは、ビットコインが誕生して以来の、取り引き全てが記録されている。つまり、誰が、いつ、どれだけ取り引きし、現在いくら持っているかが全て記録されているのだ。また、コイン保有者のパソコンやスマホにも総元帳がダウンロードされており、同じ元帳が無数に存在する。元帳に対しては、誰かが支払いを行うと、支払側に残高がきちんとあるか、受取側が確かに受け取ったかなど、取り引きが有効かどうかを他のコイン保有者が複数で検証するしくみで、その後、初めてブロックチェーンの最後に記録されるのだ。

一連の取引は、利用者のビットコイン・アドレスである「公開鍵」と、本人のみが知る「秘密鍵」を使う強力な暗号アルゴリズムに基づくため、記録の改ざんなどの不正も困難。市場で価格が決まる仮想通貨で、取り引きはすべて「総元帳」に記録されているということだ。特徴的なこうしたビットコインの性質が注目を集める理由の一つになっているともいえそうだ。

ビットコインの発明者は「日本人」

ただ、不思議な点がまだ残る。総元帳は公開されており、取り引きの全容が明らかになっている一方で、なぜ「匿名性」があるのだろうか。端的に答えを書けば、ビットコインでは個人情報を一切使わないからで、ビットコインの別の、大きな特徴の一つにもなっている。

分かりやすくするために銀行と比べてみよう。銀行口座を新たに開くには、個人名や住所、さらに本人確認書類が必要で、これらは口座番号と連携させることで、持ち主を特定する。一方で、ビットコインでは暗号化された通信内容の解読に使われる「秘密鍵」が一人のユーザーとビットコインをつなげる役割を果たす。そのため、ビットコインそのものの取引内容や通信内容から個人を特定できないようになっているのだ。

また、ビットコインは未だ謎の人物とされる中本哲史(なかもとさとし)氏によって2009年に生み出され、通貨記号「BTC」で表記されている。最小単位は1億分の1 BTCで、発明者にちなんで「1 Satoshi」と呼ばれ、直近1 BTC=約4.6万円の換算レートで0.00046円ほどだが、「ビットコインの仕組みそのものは日本人が発明した」という点もこの仮想通貨が大きな注目を集める理由の一つになっていると言っていいだろう。

資本移動の規制をすり抜けるための「ビットコイン」

ビットコインそのものを使うには、「買う」か「もらう」か「採掘」して、まずは手に入れなければならない。ビットコインの「採掘」というのは、取り引きの実証などを行うことで、その報酬としてもらえる仮想通貨ということだ。

ちなみに、ビットコインの総発行額はあらかじめ2100万BTCが上限と決まっている。他方で、現在流通しているのは約1540万BTC。身近な日本円に換算するとそれぞれ、約9640億円、約7070億円になる。まだ流通していない560万BTCは今後、取り引きを実証した人に対して支払われる報酬になるとされている。一部にはこの報酬を目当てにした「プロ採掘人」もいるという。

また、ビットコインの魅力の一つが安い決済コストだ。送金手数料は本人が決めることもでき、ゼロでも採掘人が決済してくれるのでほぼ無料となるとされる。海外への送金やクレジットカード決済の手数料を節約することができる。最近では米デル社をはじめ、多くのネット販売業者や寄付サイトなどでビットコインを受け入れている。

ただ、誰もがその恩恵にあずかれるかと言うとそうではない。一般消費者にとっては、使える場面が限られており、値下がりリスクがあり、使い易いとはいいにくいのが現状だ。

利用者数がそれでも増えているのは、もっと切実な理由もあるようだ。特に、利用者が最近、急増しているのは中国やギリシャなど海外送金を制限する資本規制が行われている国らしい。こうした特殊な事情で活用されているビットコインの特徴も、注目度を高める理由の一つになっているといえるだろう。

ほかにも、さまざまな場所で取り扱いが始まっており、今後の展開も引き続き注目していく必要がありそうだ。( FinTech online編集部

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