金融(Finance)とIT(Technology)を融合し様々なサービスを提供するFinTech。その中でも、ビットコインをはじめとする仮想通貨の"地位"向上に注目が集まっている。
3月4日、政府がビットコインなどの仮想通貨を規制することを目的とした改正資金決済法が、2017年4月1日から施行された。これまで単なる"モノ"として扱われてきた仮想通貨が、法改正により、法定通貨との交換や物品売買時の支払いに利用でき、電子的に移転することが可能な「財産的価値」と新しく定義された。
世界的にもビットコインの認知度は高まってきている。ビットコイン・ウォレット大手のブロックチェーン・ウォレットのユーザー数は、2017年5月4日現在1346万6813で、1年前の708万7522と比べると90%増となっている。ビットコイン対応のATMは2017年5月現在1149台で、1年間で538台も増えている。取引数も増加傾向にあるという。こうした盛り上がりを背景に、国内でもビットコイン関連銘柄に注目が集まっている。ここでは、関連企業9社を紹介しよう。
ビットコイン関連銘柄
①マネーパートナーズグループ <8732>
2015年7月にビットコインの取引所を運営する米国Payward Inc.とビットコイン取引をはじめビットコインを活用した決済サービスやビットコインを原資産としたデリバティブ取引等に関する業務提携について検討を行うことに合意。さらに2016年3月31日に米国Payward Inc.との間で、出資に係る覚書を締結したと発表。
②リアルワールド <3691>
2015年12月にビットコインを買い取り、販売する株式会社bit Flyerと業務提携を発表。リアルワールドは総会員数1000万人を超えるクラウド事業を運営している。業務提携によってクラウド事業内で会員が集めたポイントがビットコインに交換可能。500円からビットコインに交換可能と発表している。
③Jトラスト <8508>
日本最大のビットコイン取引所を運営するBTCボックスに出資。国内のビットコイン取引の活性化、海外取引所の創設、新興国での金融サービスの提供、新規ビジネスの創出などで協業する。
④楽天 <4755>
2015年3月に米国Bitnet Technologiesが提供している決済処理プラットフォームを楽天の海外マーケットプレイスに統合し、新たな決済手段としてビットコインを導入することを発表。まず米国のRakuten.com(ラクテン・ドット・コム)に導入し、ドイツのRakuten.de(ラクテン・ドット・ディーイー)とオーストリアのRakuten.at(ラクテン・ドット・エイティー)にも導入予定と発表した。
⑤セレス <3696>
ビットコインの取引事業をおこなう株式会社bitFlyerと業務提携。会員数500万人を超える国内最大級のスマートフォン向けポイントメディア「モッピー」を運営しており、bitFlyerとの業務提携により、ポイントとビットコインを交換できるようになった。
⑥GMOペイメントゲートウェイ <3769>
ビットコインの取引事業をおこなう株式会社bitFlyerに出資し、資本業務提携を実施。日本の決済事業者として初めてビットコインによる決済サービスの受付を開始している。EC事業者に新たな決済手段の一つとしてビットコイン決済を提供。
⑦GMOメディア <6180>
ビットコインの取引事業をおこなう株式会社bitFlyerと業務提携し、GMOメディアが運営するポイントサイト「ポイントタウン」にてビットコインと交換可能なサービスを開始。GMOメディアは会員数200万人を超えるポイントサイトや若い女性向けソーシャルメディアを運営。
⑧フィスコ <3807>
2016年4月1日にビットコイン取引所を運営するフィスココインを設立。今後は取引システムの外販も視野に入れるとしている。将来的には、仮想通貨を利用した金融派生商品の開発・運用、仮想通貨を利用した社債発行などのB to Bサービスといった仮想通貨に関するあらゆるサービスをワンストップで提供する仮想通貨のハブとなることを目指すとしている。
⑨ジグソー <3914>
ジグソーの資本・提携先である株式会社世界が国内初のビットコインによる不動産販売サービスを開始。2015年12月6日には香港投資家に対して、日本不動産をビットコインで販売したと発表。
今後、ビットコインを活用したサービスが日本でも増えていくにつれ、今後のビットコイン関連銘柄にも恩恵が期待できるのではないだろうか。( FinTech online 編集部 )