アリババ,中国
(写真=Webサイトより)

中国アリババグループ(阿里巴巴集団)が決済サービス「Alipay」の欧米進出を発表した。中国観光客や留学生などに人気の英国、フランス、ドイツから決済市場を開拓する計画だ。

中国におけるオンライン決済の半分以上を独占する巨大決済サービスの拡大は、PayPalやVisa、Appleを含むライバル企業にとって凄まじい脅威となることが予想される。

Alipayインターナショナルのサブリナ・ペン社長は「中国人が絶対的な信頼を置くAlipayの導入は、欧米のマーチャントにも多大なる利益をもたらすはずだ」と、精力的に加盟店を募っている。

Alipayに対抗する欧米企業の戦略は?

Alipayを運営するアリババの金融事業部門、アント・ファイナンシャル・サービス・グループは、“中国人がより手軽に欧米のマーチャントと取引できる手段として”Alipayのサービスを欧米に拡大することを明らかにした。コペンハーゲンで4月4日から7日まで開催された金融イベント「money20/20」でのことだ。

2014年に海外に渡航した中国人観光客は1億1700万人。総額1650億ドル(約17兆9240億円)が海外で消費された。この数字は今後もさらに伸び続け、2020年には2億3400万人に達するといわれている。

一方、中国でのユーザー数が4億5000万人、提携金融機関数は200を超えるAlipayは、50%のオンライン決済シェアに加えて80%のモバイル決済シェアを弾きだす、向かうところ敵ナシの決済システムだ。

昨年11月から欧州市場に乗り出し、ドイツの金融テクノロジー会社、ワイヤーカード(Wirecard)と提携。Alipayアプリを利用したバーコード決済を採用し、POS認証を受けた欧州のオンライン小売店で海外ショッピングが楽しめるという、通貨交換手数料ゼロの海外決済システムを開始した。

欧米へのAlipay拡大を機に、「ローカル・サービス・プラットフォーム」も来月から始まる。このサービスは様々な地域のレストランや小売店の情報(場所、レビューなど)をチェックできるだけではなく、対象地域の割引クーポンなどが貰える嬉しいプラスアルファ機能つき。

「信頼」「利便性」「広範囲にわたる対応性」という決済にとって重要な3要素を備えたAlipayの出現に、欧米のライバル企業がどのような戦略で切り返すのか--。( FinTech online編集部

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