投資家が直接貸し出しする「投資型融資P2P」がオーストラリアで誕生。1万5000ドルから25万ドル(約164万1150円から2735万2500円)までの融資を行う中小企業向けプラットフォームだ。

貸し手(投資家)は登録後、審査を通過した借り手(企業)の情報を観覧し、事業内容や将来の展望などを把握したうえで、50ドル(約5471円)からの小口投資が可能。現実的な返済能力に重点を置いた審査基準で選ばれた企業にのみ融資を行うため、投資家は安心して利益を期待できる。

中小企業に優しい融資システムの確立が目標

サービスを開始したのは、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドやNABに長年勤務したジョン・バイーニ氏のスタートアップ、True Pillars。欧州のFinTechスタートアップが続々に融資分野で成功をおさめている姿に刺激を受け「勝ち組ビジネス」への参入決心したという。

欧州で人気の融資スタイルを、金融市場の拡大で伸び悩んでいるオーストラリアに持ち込むことで、新たな切り口を開こうという狙いだ。

バイーニ氏はオーストラリアの堅苦しい融資システムが、長年中小企業にとって非常に大きな壁となっている点を指摘。「オーストラリアの経済成長を妨げている」現状を打破する必要を感じている。

ユーザー増加に向け、借り手と貸し手の両方が利用しやいプラットフォームを設立するという工夫も忘れてはいない。貸し手は専用の「検索画面」で、融資者を募っている企業のリスク評価、利率、投資機関などを含めた詳細を確認し、気に入った企業があれば希望投資金額を入力するだけ。借り手は一定応募条件(設立2年以上、年間売上高10万ドル/約1093万5000円以上など)を満たしていれば、融資期間や金額などの希望条件を添えてオンラインから審査申し込みができる。

オーストラリアでは初の投資型マーケットとなるが、果たして「歴史の壁」を打ち破ることに成功するか否か、今後の行方に注目だ。( FinTech online編集部

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