世界各国でブロックチェーンへの投資が活発化するなか、仮想通貨市場の8割を独占するビットコインを、イーサリアム、Ripple、Litecoinなどが追い上げている。アルトコイン(代替通貨)と呼ばれるこれら次世代の仮想通貨は、決済の速さやビットコインにはない独自のユニークな特徴をウリに、着実にその勢力を拡大している。

仮想通貨の取引相場紹介サイト「コインマーケット・キャップ」によると、680種類の仮想通貨が時価総額およそ81億ドル(約8910億円)の中で接戦を繰り広げているようだ。

今もユーザー増加中のビットコイン 価格変動の激しさがネック?

ビットコインは世界初の仮想通貨として2009年に登場して以降、2年後に最初のブレイクを迎え、発売当初は0.3ドル(約33円)だった価格が32ドル(約3607円)まで急騰した。その後下落を挟みながらも、2013年後半に400ドル(約4万3720円)台に突入したのを機に、現在も420ドル(約4万6000円)台を推移している。

その最大の魅力は、換金あるいは交換しやすいという点だ。資産投資の一部である仮想通貨は、世間に流通する通貨に換金できて初めて、価値のあるものとして見なされる。多くの仮想通貨が現実の世界では価値のないものとして消え去る一方で、ビットコインは大手国際企業や機関との提携によって、利用・換金の場を急速に開拓している。

次世代仮想通貨はBytecoinなどユニークなライバルが勢ぞろい

2位は巨大ブロックチェーン・プロジェクトを取り仕切るイーサリアム(ETH)。2015年11月にマイクロソフトのAzure との提携関係が報じられ、それを受けてか今年に入ってからETHの価格は高騰中だ。2015年までは1ETH0.8ドル(約87円)前後で取引されていたが、3月のピーク時には15ドル(約1640円)弱まで値上がりし、2016年現在は9ドル(約984円)前後に落ち着いている。

3位のRippleはGoogleが投資しており、シリコンバレーのテクノロジー・スタートアップ出資者として有名なクリス・ラーセン氏らが2012年に立ち上げた即時決済サービス会社だ。独自の仮想通貨XRPは単一通貨というよりは取引に利用されるトークンといった位置づけにあるため、ビットコインは勿論、通常の通貨(ドル、円など)との取引にも使用できる。

そのほか最新の暗号アルゴリズムによる高度なセキュリティーと即時決済の速さを誇るBytecoin、スコットランドのスタートアップによる現地で暮らす人々のための仮想通貨Scotcoinなど、興味深いアルトコインが続々と登場している。

ブロックチェーン時価総額トップ20 ビットコイン強し

20位 Scotcoin(SCOT) 526万7764ドル/約5億7587万円
19位 Namecoin(NMC)622万8469ドル/約6億8090万円
18位 Nxt(NXT) 696万4158ドル/約7億6132万円
17位 Bytecoin(BCN) 703万5520ドル/約7億6912万円
16位 Synereo(AMP) 704万6650ドル/約7億7034万円
15位 FedoraCoin(TIPS) 831万2928ドル/約9億952万円
14位 Emercoin(EMC) 923万7731ドル/約10億1070万円
13位 Peercoin(PPC) 1003万6649ドル/約10億9781万円
12位 Stellar(XLM) 1050万3029ドル/約11億4882万円
11位 BitShares(BTS) 1128万3393ドル/約12億3350万円

10位 Monero(XMR) 1201万4416ドル/約13億1341万円
9位 Factom(FCT) 1261万2205ドル/約13億7877万円
8位 NEM(XEM) 1297万4669ドル/約14億1839万円
7位 Dogecoin(DOGE) 2375万6363ドル/約25億9705万円
6位 MaidSafeCoin(MAID) 3585万1575ドル/約39億1929万円
5位 Dash(Dash)4032万8182円/約44億868万円
4位 Litecoin(LTC) 1億4866万ドル/約162億3500万円
3位 Ripple(XRP) 2億2821万ドル/約249億2322万円
2位 Ethereum(ETH) 7億1317ドル/約778億8540万円)
1位 Bitcoin(BTC) 66億4087万ドル/約7252億4917万円

2位以下の次世代勢力を10倍近く上回る時価総額を誇るビットコインだが、追随する仮想通貨が換金性を増した時こそ、真価が問われる時だろう。( FinTech online編集部 )