アルゴナビス
(写真=PIXTA)

おはようございます。立花証券元会長の石井久氏の訃報が出ていました。清水一行の小説「大物」の中でしか存じ上げませんでしたが、(ご尊顔は拝見したことはありますが)自分が駆け出し証券マンであったころに「大物になりたい」と憧れたものでした。小説の中での話でしたが、やはり相場を観る上では大きな目でしっかりと流れを見ていかなければだめだということも教えられたものです。ご冥福をお祈りいたします。

ところで、米FOMC(公開市場委員会)では想定されていたことですが、利上げ見送りとなりました。「市場との対話」を重視したということですが、これで日銀も追加緩和があれば市場では素直に好感することになるのでしょう。ただ、ある程度は織り込まれているということもあり、追加緩和なかった時が結構下押し圧力も出てきそうです。大型連休を控えているということでもあり、売り方も買い方も持ち高を減らしたいところなので、上方向には限界があり、下方向に大きくなるということが懸念されます。

本日の日本市場は連休中の欧米株が安くなったことや夜間取引やシカゴ市場(CME)の日経平均先物が大きく下落していたこと、為替が大きく円高に振れたことから連休前の大幅下落の反動はなく、失望売りの継続もあって大きく下落して始まりそうです。底堅さも見られるのでしょうが、海外市場が取引されるなかで日本市場は大型連休となっており、積極的に買い上がる動きは見られそうもなく、大きく下落したままの動きとなりそうです。目先筋の買戻しなどはあるのでしょうが、買い気の乏しい中で下値を試すことになるのでしょう。

16,500円~600円水準はいいところだと思うですが、CMEなどでの日経平均先物の動きをみると16,000円を割り込むところまで一気に下落となりそうです。16,000円を挟んでの動きで下値を確認することになるのではないかと思います。為替次第ということになりそうですが、円安に戻すようであればいったん下値を試しても16,500円水準まで戻すのでしょうし、朝から円安となるようであれば16,500円程度での小動きとなるのではないかと思います。

本日の投資戦略

米国での利上げがなかったということで一安心という感じです。ただ、逆に大型連休前の手仕舞い売り場を与えるということにもなりそうです。日銀の金融政策決定会合を待っての動きとなるのでしょうが、その前には先物の持ち高調整の売り買いで右往左往することになりそうです。

動き出すと一斉に動くのでやりにくい状況です。こういうときはしっかりと逆指値でもしておくほうがいいと思います。決算発表が始まりましたが、想定されたこととはいえ芳しくない決算が多くなっています。想定以上に悪いような感じでもあり、どこまで株価に響くかということになりそうです。電機株や機械株はどこまで売られるかをしっかりと見極めてからの動きでいいと思います。

清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・ アルゴナビス )、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。 メールマガジン も配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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