(写真=Thinkstock/Getty Images)
(写真=Thinkstock/Getty Images)

株式投資での成功は、単純に株の知識だけでなく人間心理も大きく左右する。相場の動き自体が投資家の心の動きを表すものであり、自らが投資家として参入するときには、メンタルのコンディショニングが要されるからだ。ここでは、そのコンディショニングを図るのに役立つ「6つの心理学」を紹介する。

「自分は大丈夫」「まだ大丈夫」で逃げ遅れてしまう

株式投資において株の知識が重要なのは当然だが、それと同じくらい大切なのがメンタルのコンディショニングだ。投資についての知識と経験が豊かな人でも、相場が荒れているときにメンタルを乱してしまっては判断を誤りかねない。ここでは、株式投資で成功するために知っておきたい6つの心理学的トピックについて紹介してみよう。

1.正常性バイアス 「根拠の無い大丈夫」に注意

「正常性バイアス」は、物事を正しく見ることを邪魔する認知のゆがみ(バイアス)の一種。災害心理学などで使用される用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりする特性をいう。災害時にこれが働くと、危険な状況であるにもかかわらず、都合の悪い情報を無視して「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと危険性を過小評価して逃げ遅れの原因となる。

株式投資に当てはめると、明らかに損切りをする局面であるにもかかわらず、正常性バイアスが働くと「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」とポジションを持ち続け、その結果、逃げ遅れてしまう。根拠のない「大丈夫」という感覚には注意が必要ということだ。

2. 自信過剰バイアス 必要以上の自信に注意

「自信過剰バイアス」は、正常性バイアスに似たもので、実際以上に自分が周囲の情報を把握していると考え、また自分のスキルに実際以上に自信をもつ傾向をいう。この認知のゆがみを持つ人は投資家にも多く、彼らは投資で収益を上げたときの成功体験から「他人に見えない相場の動きが自分には見える」と信じている。

このバイアスを回避するには、成功体験だけに意識を向けるのではなく、長期的なスパンで自らの投資成果を振り返ればいい。ほとんどの投資ファンドではパフォーマンスの年次間相関はわずかにゼロを上回る程度といわれ、長い目で見れば、株式投資にはいかなる必勝法もないことが分かる。

単純にみえる相場ほど慎重さを要される

3.アンカリング その比較本当に正しいですか?

「アンカリング」もまた認知のゆがみの1つ。これは、何かを判断するときに特定の情報の断片を重視する傾向をいい、たとえば、複数の選択肢から1つを選ぶとき、最初に目にした情報を判断材料とする傾向などをいう。

株式投資でいうと、複数の銘柄を検討するときに、最初に目にしたものがハイリスクだとすると、その後の銘柄のリスクがアンカリングの作用により相対的に低く見えてしまい、正しくリスクを判断できないことになる。無意識のうちに「こっちと比較するとマシだ」という判断をしていないかどうか、自分の心の動きに注意を払うことが大切だ。

4.知的ショートカット 情報を精査し慎重に判断

「バットとボールはセットで1ドル10セントします。バットはボールより1ドル高い。ボールはいくらですか」という算数の問題がある。これに多くの人はすばやく「ボールは10セント」と答える。

正しい答えは「ボールが5セント」で「バットが1ドル5セント」となる。慎重に計算すれば小学生でも分かる問題だが、ハーバードやプリンストン、マサチューセッツ工科大学の学生たちですら、半数以上が間違った答えを出すという。これが、難しい問題を無意識に簡単な問題に置き換えてしまう「知的ショートカット」という現象だ。

この現象は、簡単に見える問題であっても即座に解答を出すのではなく、慎重に検討すべきだということを我々に教えてくれる。株式投資では「楽勝だ」「セオリー通りで勝てる」と思えるときほど、情報を精査し慎重に判断すべきということになるだろう。

印象だけで物事を色付けして見ていないか

5.フォンレストルフ効果 話題の銘柄は正しい判断のノイズになることも

「フォンレストルフ効果」は、好みに関係なく、印象深いものや目立つものを脳が優先的に記憶する現象。多くの広告が印象の強い色彩や動きや音を伴うのは、このフォンレストルフ効果を狙っており、そのほうが記憶に残りやすいということだ。

株式投資では、新規上場株や最近大きな値動きのあった株など、話題になった銘柄がどうしても記憶に残りやすいが、その記憶は正しい判断にとってノイズとなってしまいかねない。ある銘柄に心が引かれるときには、このフォンレストルフ効果が働いていないかどうか、注意して心を観察するべきだろう。

6.消極的バイアス あの銘柄は失敗したから買わないだと成功しない

ネガティブな出来事が起きたとき、それに関連する物事すべてがネガティブに見えてしまう。一方、ポジティブな出来事が起きたとしても、それに関連する物事がポジティブに見えることはあまりない。このような心理的傾向を「消極的バイアス」という。

株式投資では、自分が大損してしまった銘柄に2度と触れたくないという心境が、この消極的バイアスにあたるだろう。場合によっては、その銘柄の関連企業まですべて触れたくない気持ちになるかもしれないが、そのような心境は正しい判断の邪魔になる。

以上6つの心理学トピック以外にも、人の心にはさまざまな認知のゆがみや、偏ったメンタルの傾向などが見られる。株式投資を成功させるには、そのような偏りに陥っていないかどうかをモニタリングする姿勢が重要だ。(ZUU online 編集部)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)