ロンドン名物の1つ「赤い公衆電話ボックス(Red Telephone Box)」が、米投資会社、FJPインベストメントの奇想天外なアイデアによって、次世代簡易オフィスとして生まれ変わろうとしている。

高さ2.8メートル、広さ1平方メートル足らずの空間には、Wi-Fi、25インチ画面のノート型パソコン、無線マウス、プリンター、スキャナー、携帯充電機など、移動中のオフィス業務に必要な一式が完備。まずはロンドン、エディンバラ、リーズなど15都市でのサービス開始が予定されている。

無駄のない自分だけの空間で仕事に集中?

英国の首都、ロンドンのアイコン的存在といえども携帯電話の普及率には勝てず、1900年の初登場以来、英国全体に9万台が設置されたにも関わらず、2013年には1万台にまで減少。

ブリティッシュ・テレコム(BT)によって撤去された電話ボックスの一部は、2014年に英レッド・キオスク(赤い公衆電話ボックス)・カンパニーが下取りし、2000ポンド(約30万8083円)前後で民間への販売を請け負っているほか、年間4500ポンド(約69万3238円)でFJPを始めとする様々な企業に貸し出ている。現在は飲食自動販売機の「アイスクリーム・ボックス」や「コーヒー・ボックス」などとして再生されている。

FJPは既にニューヨークで反響を呼んでいる共同オフィス投資プロジェクト「バー・ワークス」を通して、廃れゆく伝統に新しい息吹をふきこむために、共同オフィスクラブ「ポッドワークス」の会員専用オフィスに改造するという発想に至った。

会員は月額会費20ポンド(約3084円)を支払うだけで、モバイルアプリから「電話ボックスオフィス」のキーにアクセスし、24時間365日自由に利用が可能となる。

無人の電話ボックスにPC設備となると盗難や破損などが心配だが、セキュリティー対策としてCCTVカメラを設置しているほか、そもそも会員のみがアクセスできるシステムなうえに、高価な機器は一切導入していないそうだ。

スペース面も気になるところだが、閉所恐怖症でない限り、だだっ広いオフィスで大人数に囲まれて仕事をするよりも、「無駄のない自分だけの空間で机に向かう方が落ち着く」という人も意外に多い。これは意外な大ヒットとなるかもしれない。(ZUU online 編集部)

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