過去複数回の上場見送りを経て、ついにLINEの上場が決まった。東京証券取引所に7月15日上場する。上場時の時価総額は約5880億円の見込み。同社は東京のみならずニューヨークでの同時上場も行う。ここに至るまで、LINE上場に関しては様々な情報が飛び交っていた。本稿ではこれまでの情報を時系列的にきちんと整理し、LINE関連の投資について考えていこう。
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LINE上場情報に関するこれまでの経緯
2014年7月、LINEが東京証券取引所に株式上場を申請したことが報じられた。東証の承認が得られれば、同年11月にも上場、時価総額は1兆円以上になる見込みだった。ところが同年9月には上場の年内見送りが発表される。
さらに2015年5月、LINEがIPOに向けた協議を再開したと報道される。日本郵政グループの大型IPOを視野に、年内早期に日本と米国で同時上場するとの見通しだった。しかし同年9月、日米同時上場は再度保留されることになる。売り上げの減少に加え、グローバル投資の心理も冷めているとの判断に従ったものだという。
そして2016年3月、LINEがニューヨークと東京市場で新規株式公開を計画しているとの情報が流れた。これに対してLINEの親会社である韓国のIT企業ネイバーは、「まだ決定事項は何もない」とコメントしている。この動きに関連しては、3月末に「ネイバーがLINE上場申請書類提出」とのニュースが流されたものの、直後に訂正されるという騒動も起こっている。
関東財務局の立ち入り検査で暗雲も
LINEの上場に水を差すような問題も起きていた。2016年4月には、LINEが関東財務局による立ち入り検査を受けていたことが発覚した。運営するスマホ用ゲームで使う一部のアイテムが、資金決済法上規制の対象となる「通貨」に相当すると判断した当局の求めに対し、同社は払い戻しに備えた供託を済ませたものと見られる。これを受けて上場への審査も進んだようである。
「日米同時上場」の狙いはどこにあるのか?
LINEは、東京証券取引所への上場と同時にニューヨークでの上場も行う。ニューヨーク証券取引所には現地時間で7月14日に上場する。複数の国での上場を行うのにはいくつかの理由が考えられるが、まず挙げられるのは国外での知名度向上だろう。日本では大きなシェアと知名度を持つLINEとはいえ、米国での知名度はまだまだ高くない。グローバル市場で存在感を示すためには、ニューヨークでの上場が決め手になる。
LINEの日米上場後、東証とニューヨーク証券取引所では同一の株式が取引されるのだろうか。また株価の動きはどうなるのだろうか。
はじめの問いに対する答えは“NO”である。東証で取引される株式と米国で取引される株式は同一のものではない(※東証に上場している米国企業については、東証で取引されている株式は米国で取引されている株式と同一である)。 詳細の仕組みは割愛するが、米国以外の企業が、米国で株式で投資を集めるためにはADR(米国預託証券)が用意されている。これは米国株と同じように、米ドルでの売買や決済、配当金の受領などが出来るようにした仕組みだ。ただし日米でまったく同じ株式を取引しているわけではないので、その点には注意する必要がある。
LINEの日本株と米国株の株価に相関関係はあるのだろうか。LINEの情報はまだないので、日米両方に上場している日本の代表的な企業3社を例に直近の事例(2016年4月前半)を見てみたい。
現に米国の市場に上場している任天堂、トヨタ、三井物産の3社について4月の株価の値動きを追ってみると、日経平均、NYダウ、ナスダックなどとの相関以上に、日本の同社株に連動して値動きしていることが分かる(下グラフ参照:前日比(前日=1)で日本株が100%を上回る時、米国株も100%を上回り、日本株が100%を下回る時米国株も100%を下回るケースがほとんど。4月前半において日本株と米国株が逆の動きをしたのは4/15の三井物産株1例のみ)。
あくまでも3社についての具体例にすぎないが、米国株投資に関しての大きなヒントになるのではないだろうか。もしLINEが日米両方に上場したら、その相関関係を調べてみるのも面白いだろう。
LINEのIPO株を購入するには
我々がIPO株を購入するにはネット証券を利用するのが良い。LINEのIPOで主幹事を担うのは野村證券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券だが、ネット証券の中で幹事会社を務めるのは マネックス証券 、 SBI証券 、 SMBC日興証券 の3社である。また三菱UFJモルガン・スタンレーのIPO委託を引き受ける カブドットコム証券 でもLINEのIPO株を取り扱う。前もって口座を準備しておくとよいだろう。この中で完全平等抽選制を採用しているのは マネックス証券 、 SMBC日興証券 、 カブドットコム証券 である。抽選申し込み口数にかかわらず一口座につき1票の抽選方式であり、小口投資家や初心者にも平等に当選確率が与えられる。
マネックス証券 は、IPO抽選において完全平等抽選方式を採用している。1口座につき抽選権が1票与えられる方式だ。つまり小額投資者でも当選確率が下がることがない。またマネックス証券は米国株取扱い数が約3,000件と、主要オンライン証券の中で最多を誇る。LINEがニューヨーク証券取引所に上場した後、米国株として取引したい際にもマネックス証券は活用できるのだ。更に1万円以下で有名企業の株を買える「ワン株」サービスの存在や、最大71,000円がプレゼントされる新規口座開設キャンペーンなど、IPO以外の面でも魅力的なポイントが多い。ぜひとも口座開設をしておきたい証券会社である。
SBI証券 はIPO取り扱い実績が過去No.1である上に、IPOに落選する度にポイントが貯まる「IPOチャレンジポイント」制度があり、ポイントを貯めるごとに当選率がアップするという仕組みになっている。抽選に外れた場合はポイントが戻ってくるので、IPOの申込みを続けていればどんどん当確率が高くなるという仕組みだ。
SMBC日興証券
は引き受けるIPO株の1割をオンライントレードからの申し込みに分配するので、ネット申込者にも当選の可能性がかなり見込める。また、オンライントレードからの申し込みに限っては、申込数量や普段の取引実績にかかわらず1口座1抽選権である『完全平等抽選方式』を採用しているので、初めて投資を行う方や小口投資家にも平等にチャンスが与えられることも見逃せないポイントと言えるだろう。
米国株投資に適した証券会社は?
LINEの日米同時上場に備えるにせよ、もしくはトヨタなどの米国株投資に挑戦するにせよ、取引にはどの証券会社が適しているのか見極めが必要だ。 数ある証券会社の中でも マネックス証券 は、米国株の手数料が国内最安であるだけでなく、時間外取引や夜間サポートも充実しており、米国株投資に挑戦するにも心強い。またIPOの取り扱い数でも、 マネックス証券 はネット証券で2番手につけており(2015年実績)、LINEのIPOに備えるという観点からも有効である可能性が高い。