結婚,女性,マネープラン,ライフプラン,老後資金,教育資金
(写真=PIXTA)

仕事はやりがいあって面白く、土日は習い事や友達とのランチを楽しむ日々。稼いだお金は自由に使え、まさに公私ともに充実した独身生活を送るなか、今すぐではないけれど、いつかは結婚して子どもも欲しいなと考えている人も多いことでしょう。

いずれ結婚するとなると、自分で稼いだお金だとしても独身時代と同じく自分のためだけに使うというわけにはいきません。結婚費用、住宅資金、子育てなど、独身時代には必要なかったお金がいろいろと掛かることになります。

気持ちのうえでの「結婚適齢期」は人によってそれぞれですが、ここでは、結婚することで必要になるお金について解説しながら、一番コスト負担の少ない「結婚適齢期」を検証していきます。

まずは出発点「結婚費用」はいくらいる?

「結婚費用」は、お金を掛けることも、掛ないこともできます。入籍と結婚指輪だけで済ますというかたちも、今ではそれほど珍しくないでしょう。この場合、必要なのは結婚指輪の費用のみですから、結婚費用は最低限に抑えられます。一方、挙式はせず会費制の披露パーティーだけ行う、海外ウエディングにする、もしくは挙式も披露宴も有名ホテルで盛大に行うなど、どのようなスタイルで結婚したいかによって、掛かる費用はさまざまです。10万円以内にすることも、数百万円掛けることもできるのです。

実際には、どういった結婚式をするのかは結婚相手によっても変わりますので、結婚前提の相手がいないうちから具体的な費用を準備するのは難しいのですが、思い描く結婚式があるのであれば、事前に費用を調べておいて準備しておくことも大切です。

例えば、具体的な案は結婚が決まってからでいいと思っているのなら、とりあえず、結婚費用として200万円ほども準備しておけばよいでしょう。結婚式にお金を掛けなかったとしても、資金を貯めておけば、電化製品や家具などの新居費用に充てることもできます。新居にもお金を使わなかったとしても、将来大きな支出が必要になったときにスライドすればよいでしょう。

人生の三大支出に備えたい

人生の三大支出といわれる資金は「住宅資金」「教育資金」「老後資金」です。

「住宅資金」はほとんどの人が住宅ローンを借り入れて物件を購入します。住宅ローンを借り入れる際に必要となるのが頭金の準備で、一般的には、物件価格の2~3割の自己資金を用意すべきだといわれています。3500万円の物件であれば、少なくとも700万円の用意が必要となるでしょう。

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住宅は、子どもの就学前や家族が増えたタイミングなど、購入する時期は自分たちで選べます。いずれにしても、住宅購入は人生で一番高い買い物となることを頭に入れておいてください。

次に「教育資金」ですが、文部科学省が発表した「私立大学等の平成26年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると、私立大学では約26万円の入学金のほか、授業料と施設設備費で年間平均約100万円の費用が掛かります。4年間で約400万円、理工学部や医学部など学部によってはさらに必要です。

子どもが生まれたら学資保険に入るなど、教育費はかなり早い時期から準備しておこうと考えるご夫婦も多いといいます。しかし、予想以上に塾代が掛かったり、高校生ぐらいになると夏休みに短期留学を望むようになるなど、急な資金が必要になったりすることもあるでしょう。また、子どもが医学部や芸術系学科への進学を希望したために、準備していた教育費では足りず教育ローンを借りることになったというケースも少なくありません。

最後に「老後資金」ですが、どういった老後生活を送りたいかでも費用は変わってきます。総務省統計局発表の「家計調査報告」(2015年) によれば、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の家計収支において、2015年の月平均の実収入は21万3379円です。収入に対する支出の不足分は6万2326円にもなっていて、この不足分は貯蓄などを切り崩して補っていると見られています。このことから分かるのは、老後資金はこのような事態も想定して準備しておく必要があるということです。

仮に老後期間が30年だとすると、不足分(6万2326円×12カ月=74万7912円)×30年間で約2240万円が掛かります。これに医療費や介護費用などを含めると、少なくとも約3000万円というのが、老後資金として準備しておきたい金額となります。さらに、旅行や趣味を楽しみたいといったゆとりのある老後生活を送りたいとなれば、老後資金はもっと必要になってきます。

毎月の生活費、子どもができたらどう変わる?

結婚して数年、子どもができたと仮定して毎月掛かる費用を考えてみましょう。まず、万が一の場合に生活費をカバーできる生命保険には加入しておきたいところです。また、夏休みなどの長期休暇には、家族で旅行なども楽しみたいものでしょう。しかし、夫婦2人のときは気にならなかった娯楽費も、子ども2人の家族4人で旅行しようと思ったら、海外でなくとも結構な費用が掛かります。

食費、光熱費、被服費、医療費と、家族が増えれば毎月の支出も増えていきます。独身時代のように、お金を好きに使うのは難しくなることがお分かりいただけたでしょうか。

以上、結婚してから掛かってくるだろう大きな費用を挙げてみました。では、マネープランで考える「結婚適齢期」とは一体いつなのでしょうか?(後編へ続く)

今関 倫子
外資系保険会社勤務中にファイナンシャル・プランナー(FP)を目指し、AFP資格取得後、独立系FP事務所に転職。女性を中心に年間のべ200件以上のマネー相談を受ける。独立後は個人相談、執筆、セミナーを中心に活動。「 FP Cafe 」登録FP。

(提供: DAILY ANDS

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