米ソフト会社オラクルの元ファイナンス・マネージャー、スヴェトラーナ・ブラックバーン氏が、「クラウドサービスによる売り上げの水増しを拒絶して解雇された」として、6月1日、カリフォルニア州サンフランシスコの連邦地方裁判所を通して訴訟に踏み切った。

オラクル側は訴えを全面的に否定。原告側はソフトウェア、ハードウェアともに売り上げが伸び悩んでいるオラクルにとって、クラウドサービスは唯一希望が持てる分野であり、投資家の期待に沿うためのプレッシャーから不正行為が試みられたーーと主張している。

スタートアップの脅威にさらされるオラクル

訴えによると上層部は昨年、会計データに数百万ドル(約数億円)を水増しするようにブラックバーン氏に命じた。「確固たる数字を示す書類がない」と偽造を拒絶したブラックバーン氏は、「誤ったデータを基に自己判断で財務報告書を作成しかねない妨害者」という理由で1カ月後の10月15日に解雇された。

解雇2カ月前に発表されたパフォーマンス評価でブラックバーン氏好評を得ていた事実と照らし合わせると、オラクルが提示した解雇理由は確かに不自然だ。

オラクルの今年第1四半期におけるソフト売り上げは、総売上の70%に値する63億5000万ドル(約6836億4100万円)。一方クラウドサービスからの売り上げは7億3500万ドル(約791億3010万円)と、わずか8%を占めているだけだ。

しかし成長率を見るとソフトとハードが減少傾向にあるのに対し、クラウドは40%と非常に力強い成長を記録している。

オラクルが次々に出現する強力なライバル(スタートアップを含む)を脅威と見なしていることは間違いない。1977年の設立後、データ管理システム「オラクル・データベース」で市場を制覇したが、近年はクラウド事業の拡大に向け大規模な投資、開発を続けている。

Javaプログラミング言語による利益をめぐってGoogleと法廷で闘争中のオラクルだが、ここにきて火種がもうひとつ増えたようだ。(ZUU online 編集部)

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