女性投資家が、これから成長すると思う産業や、安定していると感じている産業はどのようなものでしょうか。女性投資家1000人を対象に調査した「女性投資家の生活実態調査2016年」(スパークス・アセット・マネジメント調べ)から抜粋し、ご紹介します。

20〜30代は育児教育サービス関連に注目

女性投資家が今後成長するのではないかと考えている産業は、子育て世代とシニア世代ではかなり違います。

20〜30代の子育て世代は「育児・教育サービス関連」(20〜30代共に31.0%)に、60代以降のシニア世代は「ロボット関連」(64.4%)「介護サービス関連」(54.8%)にそれぞれ注目しています。子育て世代とシニア世代では注目している分野が大きく違いますが、自分の生活に密着している分野に注目しているという点が共通しているのが分かりますね。

安定株は「東京メトロ」「USJ」「LINE」

興味深いのは安定株だと評価している株です。「郵政3社(日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険)」(22.8%)よりも、「東京メトロ」(24.8%)「USJ」(23.8%)「LINE」(23.0%)のほうが安定していると評価する女性投資家が多かったのです。

将来有望株は「Spiber」「ZMP」、20代は「メルカリ」

女性投資家は「USJ」(19.4%)や「LINE」(21.2%)は安定株と評価するだけでなく、将来有望株としても注目しています。「Spiber」(15.8%)や「ZMP」(15.3%)など、先進的な技術の開発を行う分野を扱う企業にも期待しているようです。

20代の女性投資家を限定してみますと、「LINE」(31.0%)に注目している人が他の世代よりも多いほか、フリマの人気アプリの「メルカリ」(13.0%)にも注目しているのが分かります。20代の女性投資家にとっては日常生活でとてもよく使うアプリだからこそ、そのアプリを運営する企業の株が将来有望株になるだろうと期待しているのかもしれないですね。

株主優待がつくなら投資したい会社は「USJ」

「USJ」に株主優待が付くなら投資したいと考えている人が35.5%もいます。コーヒーのチェーン店を展開している「コメダ」(30,3%)、家電量販店の「ヨドバシカメラ」(25.2%)と続きます。

この3社はテーマパークだったり、人気のカフェだったり、女性にとって魅力的な企業。株主優待が付くならぜひ投資したいというのは納得の結果ですね。

働く女性を支援する企業への投資に6割強が興味あり

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(写真=PIXTA)

育児世代の若い女性にとって、日本はまだまだ優しい環境とは言えません。子供を託児所に預けることが難しかったり、働いていれば「モラハラ」などの問題も存在したりします。現状では、女性が働き続けていくというのはまだ楽なことではありません。

そのような時代背景を反映しているのか、女性投資家全体では働く女性を支援する企業への投資に関心がある人が63.2%もいます。20代だけで見ると、なんと75.0%もの女性が働く女性の味方となりそうな企業に投資したいと考えているようです。

今回は、女性投資家の視点での成長を予感する注目産業についてご紹介しましたが、いかがでしたか?

同じ女性投資家でも年代によって違いがあるのは、育児世代かそうでないかによるライフステージの違いが大きいようですね。20代の女性投資家を限定してみますと、子どものころからインターネットが身近にあったということ、スマホの利用率が高いということがキーポイントのようです。女性投資家の注目する産業が日本の現状を反映しているというのはなかなか興味深いですね。

【参照】 「女性投資家の生活実態調査2016」(スパークス・アセット・マネジメント調べ) 総務省|平成27年版 情報通信白書|インターネットの普及状況 総務省|平成27年版 情報通信白書|SNSの利用率

沼佐 睦美
札幌生まれ札幌育ちのライター。日本の短大卒業後、アメリカの4年制大学に編入・卒業。アメリカで約5年間過ごす。以前は株中心、現在はFX中心に楽しんでいます。新しもの好き、期間限定アイテムに飛びつく習性あり。

(提供: DAILY ANDS

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