ベツダイ,インバウンド,アウトバウンド,リアルターゲティング
(写真=リフォーム産業新聞)

≪テーマ: 業界の常識にとらわれない、リアルターゲティングとは?≫
今、業界に求められるマーケティング視点

◆今週のゲストコラムニスト◆
ベツダイ 林哲平 取締役 マーケティング事業部長

インバウンドの考え方を基軸にアウトバンドを実行する

雑誌やテレビCMなどの出稿を軸として、不特定多数のユーザーに向けてアプローチするアウトバウンドマーケティング。オウンドメディアやSNSなどを活用し、明確にターゲット設定を行ったユーザーから、主体的に選んでもらうインバウンドマーケティング。最近、どちらの手法が有効なのか、これからの時代の主流は...など、よく議論されているようです。

その背景には、テレビや新聞、雑誌などのマスコミ四媒体広告、いわゆる「4マス広告」が下降傾向にあること、エンターテインメント情報、ゲーム、コミュニケーションなどのオンラインビジネスが存在感を増していることなどがあるようです。

アウトバウンドとインバウンド、どちらもマーケティング活動の一環であることを考えると、両方の要素をバランス良く組み合わせることが重要となります。

そこで私が大切にしている考え方は「イン・アウトバウンドマーケティング」。インバウンドの考え方を軸として、アウトバウンドを実行するイメージです。

エンドユーザーのニーズは、エンターテインメントにあり

インバウンドにおける情報発信のポイントは、どんなコンテンツを用意するかということ。情報過多の時代で、ライバル社や他商品との差別化を図り、エンドユーザーの注目を集めなくてはいけません。そのためには、コンテンツを届けるメーンターゲットを設定する必要があります。では、そのヒントはどこにあるのでしょう。例えば、リフォーム・リノベーションビジネスだからといって、住宅に関する調査データや過去の商品を参考にしながらターゲティングをしていくことは非常に危険です。

なぜなら、そこには「業界の常識」というフィルターが掛けられていて、エンドユーザーの真のニーズが見えないからです。住宅業界という狭い視野にとらわれずに、オンラインで活性化するエンターテインメント=エンドユーザーの価値観が反映される場所に目を向けましょう。

One to Oneマーケティングのアプローチで、映画、音楽、ファッション...時代のトレンドは何かをリサーチし、旬のライフスタイルからエンドユーザーをプロファイリングしていく。そのことが、リアルなターゲティングへとつながり、商品のブランディングや魅力的なコンテンツを促し、反響へと結びつくのです。街の人々に「あなたの好きな住まいのスタイルは?」と質問して、すぐに答えられる人がどれだけいるでしょうか。

住宅業界にとっては「常識」でも、エンドユーザーにとっては馴染みのないことは案外多いのです。そのことに気づかないと、住宅業界の皆さんと、エンドユーザーの価値観は、ますます離れてしまうでしょう。

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7月開催されるリフォーム産業フェア では、ベツダイ 林哲平 取締役マーケティング事業部長のセミナーを開催する。

タイトルは『これからの住宅検討層をつかむ「共感マーケティング」を軸にした経営・営業戦略の考え方とは』。 講演日は2016年7月13日(水)、15:50~16:40。会場は東京ビッグサイト東1ホール。(提供: リフォーム産業新聞 6月21日掲載)

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