「設立50年以内の世界大学ランキング」の2016年版が発表され、日本からは3校がランク入りした。150校中、75位の筑波大学が最高順位、ランク入りした学校数でも英国(25校)の8分の1以下、台湾(5校)や韓国(4校)にも追い抜かれるという、やや残念な結果だ。

首位は1969年に設立された、スイス連邦工科大学ローザンヌ校。ともに1991年に開校したシンガポールの南洋理工大学が2位、香港科技大学が3位に選ばれた。

このランキングは毎年世界の大学ランキングを発表している、英タイムズ・ハイアー・エデュケーション誌によって作成されたものだ。

学習環境、国際観、研究の質、論文被引用数、産学連携による収入など、世界大学ランキングと同じ13の指針に基づいて総合的に評価されている。しかし新設校に評価をくだす意図で、評判という項目にはそれほど重点が置かれていない。

伝統の重さではなく、新鮮さ、柔軟性、将来性で評価

設立50年以内と限定されているだけに、通常の大学ランキングとは異なり、新設大学特有の「勢い」や「ここ数年間の実績」、そして「ハーバード大学や、カリフォルニア大学バークレー校のような名門に育つ将来性」に、評価の重点が置かれている。

「国際大学ランキングでは新設校が圧倒的に不利」という不平等さを解消する目的で、5年前から毎年発表されている。

タイムズの「世界大学ランキング200」では、伝統あるオックスフォード大学や韓国の成均館大学校などが猛威をふるい、新設校の平均順位は213位とかなり低め。

経験、実績、ネットワークといった評価基準では、新設校がこれらの大学に太刀打ちできる余地がない。

そのためダブリン・シティ大学のブライアン・マックレース学長のように、「伝統や時代錯誤の教育制度が、新設校の成長を妨げている」と不満をもらす声も聞かれる。

時代の動きに敏感で、変化を抵抗なく受けられる体制が整っている点が、伝統的な大学にはない新設校の魅力だろう。