不動産経営,良かった,苦労話
(写真=PIXTA)

何か新しいことを始めた後で、事前にイメージしていたのと違うということはよくあります。いいこともあれば、嫌なこともある。それは不動産投資も同じです。今回、不動産投資を10年近く行っている投資家に話をうかがいました。

投資を始めたこと自体が一番良かった?

私は不動産投資家で、投資暦は10年ほどです。過去に売買を経て、現在はアパート1棟、海外のサービスアパートメント3室のみ保有しています。

過去には、海外に戸建1棟、大型区分マンション3部屋を売却しています。今では不動産以外にも再投資し、ポートフォリオの組み替えを常に行っています。

不動産経営を始めるまで、人生において大きな賭けというものに挑戦する事なく、安定的なサラリーマンをそれとなくやってきました。定年まで働き、退職後は年金をもらって悠々自適に年金生活。「サラリーマンって何て楽なんだ」と思っていました。

しかしネガティブな情報ばかりが耳に入るようになりました。少子高齢化時代、長引くデフレ不況、年金の運用実績は低調で、いずれ年金制度は崩壊する……「このままじゃだめだ」と“自己年金”を作ることを考えました。それが不動産投資を始めたきっかけです。

不動産は高額で長期にわたりローンを組むので、この挑戦が私の人生観をガラッと変えました。不動産投資を始めたそのこと自体が、結果的にではありますが、何事にも窮する事なくチャレンジできる人間になれた要因、意外に良かった事だったと思います。

次に挙げる”良かった事“は入居者さんから感謝される事でしょう。退去時の立会いの際に、「こんな良いお部屋を提供してくれてありがとう」といった感謝の言葉をかけてくださる事が幾度とありました。

入居者さんにしてみれば部屋の使用はお金を払った対価なので当然の権利ですし、また、原状回復のお金を頂こうとしている立会いのさなかにお礼を言われるとは意外でもありましたが。

良い入居者さんに入って頂けるような良い物件を持つ事で、不動産経営もそのモチベーションも続きます。部屋も丁寧に使って頂けるので原状回復コストもそれほどかかりません。ここに、健全な不動産経営を続けられる極意があるのかもしれません。

そして一番良かったのは、最愛のパートナーに出会えた事です。不動産投資を志す者同士、海外に不動産を持っていた私達は、所有物件を巡る海外ツアーを組んだことをきっかけに急接近し、今では家族となりました。不動産が最愛のパートナーを引き寄せたのかなと、不動産に感謝せずにはいられません。

霊媒師が「買うのを止めよ」でキャンセル?

逆に苦労話と言えば、売却時の話です。エンド(一般消費者)向け区分マンションを売却する事になり、売却活動時に意外な事で振り回され、苦労しました。

買い付けを入れ、いざ売買契約を締結しようとなった以後、買主とまったく連絡がつかなくなり、「やっぱりやめました」とキャンセルになった事があります。また最初は夫婦二人の内覧で購入意思が固まり、買い付けを出され、その後両親を連れての内覧、その後親戚一同、その後霊媒師と内覧を繰り返した挙句、霊媒師より「ここは神の通り道であり気が高い土地である。あなたの魂はまだ整っておらぬ、買うのは止めよ」と言われてキャンセルになった事もあります。

中でもがっくり来たのは、「雨になったから行くのが面倒」なので内覧をキャンセルしたという方もいらっしゃいました。

投資物件の売却では、これらのような事は起こりえないのでしょうが、やはりエンド向け区分マンションを売る際には、”想定外のがっかり“を想定しておかなければなりません。

不動産投資を行うための資金

最後の苦労話は、やはり資金調達でしょう。融資を受ける場合でも、購入時には相応の頭金を求められる事があるかと思います。その為、常にある程度現金を手元に置いておかなければなりません。

苦労したのは、フルローンであるにもかかわらず、3,000万円もの現金を用意しなければならなかった事です。

公庫から融資を受ける場合、所有権移転後に融資実行される場合がありますので注意が必要です。無担保枠分の2,000万円は金消契約時に融資されますが、所有権移転までは自分で現金を用意しなければなりません。

残代金、所有権移転費用等の諸費用、仲介手数料等の自己資金がなければ、フルローンを受けられる事になっても実質、物件取得には至らない訳です。

この時、3,000万円もの現金は何とかかき集め無事に物件を取得する事ができましたが、不動産経営にはある一定金額の現金、もしくは担保となる不動産をそこそこ保有していないと難しいものであると再認識させられた次第です。 (提供: 民泊投資ジャーナル

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