読者のみなさんは「女性専用車両」を利用していますか? 利用する人、あえてしない人、特に気にしない人……考え方は人それぞれですよね。そこで今回の特別企画は、国内外で活躍する DAILY ANDS 所属ライター5名に意見を聞いてみました。

登場するライターは起業家の鈴木万梨子さん、元キャバ嬢のひよこさん、北海道にお住まいの沼佐明美さん。そして海外からはイギリスにお住まいのアレン琴子さん、スリランカ在住の林立恵さんです。

「こっちに寄りかかってくるんじゃねーよ!」と怒鳴る女性も

「私は、全然気にしないです。気にしないというのは興味がないのかもしれません。乗ったか、乗っていないかもあまり考えていないです」そう語るのは都内在住の鈴木さん。ただし、「女性専用車両があると困るとの男性の声や、性差別だなんて意見もちらほら聞きますね」と指摘します。

一方で「女性専用車両はあえて利用しない」と語るひよこさんは「乗車した車両で『さっきからこっちに寄りかかってくるんじゃねーよ!』とドスの効いた声で怒鳴っている若い女性を目撃しトラウマになった」と言います。「痴漢対策という点で設置されているのならば、むしろどの車両でも痴漢はNGなのですから、一部の車両だけ設置してもあまり意味はないのでは」とひよこさんは指摘します。

「差別、平等はどちらも考え方の問題で相手を思いやることができる人ばかりだったら不要な制度」(鈴木さん)。「男性も同じように運賃を支払って乗車している以上、車両を分ける必要はないのでは? 乗車する人のマナーがしっかりと守られていれば女性専用車両は必要ないと考えます」(ひよこさん)。鈴木さん、ひよこさんの2人に共通しているのは、マナーやルールを守られているのなら必要ないという考え方ですね。

鈴木さんからは「とはいえ、常に相手の気持ちを考えることができるとは限らないのも人間ですよね。ですから、ある程度ルールという枠の中で整理していると思えば、あとは自己判断の世界ではないでしょうか」との意見もいただきました。

お互いに嫌な思いをするくらいなら…

北海道在住の沼佐さんの周りでは、女性の間でも「賛否両論」だったといいます。

女性専用車に空席があると「乗らなくてはいけないような気がする」と沼佐さん。というのも、「普通車両を利用すると、男性の席を奪ってしまうように思えるから」と言います。

また、「自分の服装によっては迷わず乗る」とも。夏の薄着で満員電車に乗車すると、周囲が少し動いただけで、たまたま近くにいる男性があらぬ疑いをかけられそうになることも…」と語る沼佐さん。お互いに嫌な思いをするくらいなら、女性専用車両を利用したほうが良いとの考え方もありますよね。

その反面、女性専用車両を利用すると男性だけでなく、女性からも「いい年なのに自意識過剰」と思われそうで、気がひける面もあるとのこと。「性格、年齢などにより考え方は変わると思いますが、率直に言って乗り心地はイマイチ」(沼佐さん)と指摘します。


スリランカでは「痴漢」を特定するのは難しい

海外在住のライターは「女性専用車両」をどのように見てるのでしょうか。

スリランカ在住の林さんは、「もし女性専用車両があったら使います」と言います。人との距離感が非常に近いアジアの発展途上国では、そもそも痴漢という概念が希薄なのだとか。

「いつでも人と人との距離が、とても近いのがアジアの発展途上国です。親しい友人なら大人同士、同性同士でも手をつないだりしますし、可愛らしい子供がいれば誰彼構わず、頬をなでたりします。そんな中、『痴漢』という犯罪を特定し、女性が訴え出るというのは至難の技ではないでしょうか」と林さんは指摘します。

むしろ、「法制度が整い、女性専用車両を導入した日本で、人々がそれをどのように使いこなしているのか気になりますね」(林さん)と言います。

イギリスでは、女性が自分で自分の身を守るのは当たり前

一方で「イギリスには、女性専用車両はありません」と語るのは、アレンさんです。イギリスでは日本より早く女性専用車を導入したものの、利用者が少なすぎて廃止されたそう。

「女性が自分で自分の身を守るのは当たり前、被害にあったら声にだして訴える、との考え方が浸透しているように感じます」とアレンさん。「痴漢行為を働くと、ただではすまない雰囲気が車内に漂っているんですよ。『痴漢の被害にあいにくい環境』を女性が自らつくりだしているのでしょうね」と言います。

昨年、英労働党党首ジェレミー・バーナード・コービン氏が女性専用車両の導入を提案しましたが、同じ労働党女性議員のイヴェット・クーパー氏に「何で女性が身を守るために、わざわざ別の車両に押し込まれなければならないの?」と一喝されたと言います。

アレンさんの周りの男性からは「女性だけが守られるのはおかしい。『男性専用車両』はないのか」との声もあったそうです。そういう考え方もあるのですね。

本当の意味での「成熟社会」を目指して

いかがでしたか? 今回は女性専用車について DAILY ANDS 所属ライター5名の意見を紹介しました。

今回、編集を担当した筆者としては、イギリス在住のアレンさんの「女性が自らの身を守る」という意見に共感しました。スリランカ在住の林さんの「痴漢という概念がそもそも無い」との指摘も印象的です。価値観は人それぞれ。世界は本当に広いとあらためて感じました。

成熟社会と言われて久しい日本ですが「女性専用車両」に限らず、社会人として、大人として、マナーやルールを守り、他者を思いやる事が当たり前の世の中になること。それが、私たちが目指す本当の意味での「成熟社会」ではないかと感じました。

DAILY ANDS では、これからも女性ならではの「目線」で、様々な問題に斬り込んでいきます。次回の特別企画をお楽しみに!

DAILY ANDS編集部
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