成城石井, 株, 優待
(写真=DAILY ANDS編集部)

成城石井好きの女性は多いですよね。好きなもの、周りで流行っているものへ株式投資にはチャンスがあります。資産運用で成城石井の株を買いたいと思う人や株主優待に興味がある人もいるかもしれません。成城石井株は買えるのでしょうか?

成城石井、人気の理由

……と、その前に成城石井の歩みを振り返ってみます。

成城石井は1927年に高級住宅地として知られる東京都世田谷区成城でオープンした老舗スーパーマーケットです。ワインやチーズなどの輸入食料品を多数そろえ、高級品志向の店舗を134店(2015年末)展開しています。

高級スーパーと言っても他のスーパーより高いと言う意味ではありません。成城石井でしか買えない独自の商品や高級食材が多く、固定ファンが多くとても人気があります。いつ行ってもスタッフの接客態度が良く、気持ち良く買い物ができると評判です。

成城石井の経営戦略

成城石井の店舗展開戦略も見事です。1997年の駅ビル出店をきっかけに、新たな店舗フォーマットの開発に積極的に取り組んできており、路面店、駅ビル、デパ地下、ショッピングセンター、オフィスビル、コンビニ跡地といった多様かつ収益性の高い店舗フォーマットの開発に成功しています。

店舗面積が狭い店でも3000~4000アイテム以上がそろい、かつ高級食材や輸入食品など高価格帯の品ぞろえが充実していることで、営業利益率は約6%台と一般スーパーの2~3%を大きく上回っています。

また、最近は外国人旅行客のインバウンド人気も集めています。都心の麹町店では、観光バスが横付けして、中国人観光客が買い物をする姿がよく見られるようです。

かつてIPOのウワサもありました

「好きな企業なので応援したい!」。企業についてそう思ったとき、真っ先に考えつくのは株を買ってその企業の「株主」になることです。

では、成城石井の場合はどうかと言うと、株は買えないのが現状です。

成城石井は高収益、高成長であることからかつて、IPO(新規株式公開)もウワサされていました。ただ、ここ数年は人気会社ゆえの悲しい歴史があります。

成城石井、人気ゆえの悲しい歴史

「人気ゆえの悲しい歴史」のはじまりは2004年、創業家が持ち株の3分の2をレックス・ホールディングス(現・レインズインターナショナル)に売却したことでした。

レックス・ホールディングスは、当時焼き肉チェーンの牛角で急成長中で、上場も果たし(2006年には上場廃止)、多角化としてレッド・ロブスターやコンビニのam/pmを傘下にいれていました。成城石井もその流れで子会社化したのです。2006年には、成城石井を100%子会社にしました。

レックス・ホールディングスは、その成城石井の株をIPOするつもりがあったようなのですが、リーマンショックなどで環境が悪化し、2011年には三菱商事と三菱UFJフィナンシャル・グループが設立した投資ファンドの丸の内キャピタルに400億円で全事業を売却しました。

最終的に成城石井を子会社化したのはローソン

アベノミクスで日本の市場環境が好転し、丸の内キャピタルは2014年に、成城石井を入札にて売却することを決定しました。ローソン <2651> と三越伊勢丹 <3099> の競合となると見られていましたが、直前に三越伊勢丹がスーパー事業からの撤退を決め、ローソンが550億円で落札した経緯があります。ちなみに、ローソンも三菱商事グループですね。

(写真=DAILY ANDS編集部)
(写真=DAILY ANDS編集部)

こういったちょっと悲しい歴史があり、成城石井は、現在、ローソンの完全子会社となっています。大手スーパーではイオン <8267> が3~7%のキャッシュバックをしていますが、イトーヨーカ堂を擁するセブン&アイ・ホールディングス <3382> やローソンは株主優待をやっていません。

優待よりも、配当で株主に還元する方針です。残念ながら、ローソン株を買っても、成城石井で使える株主優待は今のところありません。

ローソンの成城石井買収の意図は?

ローソンが成城石井の株式取得のニュースを開示したのは2014年9月30日。当日のローソン株は前日比90円高の7670円と1.2%上昇しました。出来高は前日比で倍以上に膨らみました。翌10月1日も80円上げ2日間で2.2%上昇しています。が、たいして高い反応ではありませんでした。

ただ、その後のローソン株は今年2016年2月の高値10,280円まで上げているので、成城石井を含めたローソンへの投資家の期待感は高まっているのかもしれません。

ローソンの成城石井に対する姿勢は?

ローソンは、成城石井の店名や経営体制は変更しないことを宣言しています。ローソンは、単なる小売りでなく、商品を開発・製造する製造小売り業(SPA)として成城石井と協業する方針なのです。

成城石井がこれまで築いてきたブランド等の事業基盤を大切にしながら、ローソンが持つ店舗立地獲得、ロジスティクス、購買データの活用等に関するノウハウ提供を通じてシナジー効果を効かせて成長する戦略を描いています。

ローソンはこれからどうなるの?

小売業界は、大きく動き始めています。イオンは、スーパーのダイエーのほか、マルエツやカスミなどの首都圏連合などを取り込みました。セブン&アイ・ホールディングスは通販のニッセンホールディングス、衣料品店のバーニーズジャパンなどへの出資・買収を行ってきました。

ローソンはこれまで、セブンイレブンに次いで国内店舗数で業界2位でしたが、ファミリーマート <8028> とサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングス <8270> が今年9月に経営統合することで、業界3位に順位を落とします。1店舗の1日あたりの販売額(日販)ではセブンイレブンとは10万円以上の差が開いています。業界での存在感が後退しつつある中、あらたな成長路線を考えなくてはなりません。

ローソンは、成城石井以外にも、シネマコンプレックスのユナイテッド・シネマやCD販売のHMVジャパンなどに出資や買収をしています。ローソンが、どのように変化していくか楽しみですね。

好きな商品があったら、株を買うつもりで調べてみて

自分の好きな商品があったら、ぜひ株を買うつもりで企業について調べてみてください。そうすると、意外な経済の動きが分かり、興味関心が広がります。

(提供: DAILY ANDS

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