あなたにも危機が迫っている

重要なのは、あなた自身にも危機が迫っていることだ。

最近、或るメディアで取り上げられた話題を紹介しよう。個人営業(リテール)部門の落ち込みに危機感を抱いた証券会社などは利回りの高い「変わり種」の金融商品を相次ぎ投入し「せめて1%」を求める個人投資家の支持を集めているという。

本当に投資家自身がこんなモノを求めているのか、私には疑問だ。一部の層にはニーズはあるかもしれない。しかし、「変わり種」にはとんでもないリスクが潜んでいる。

たとえば「グローバル・マクロ」と呼ばれる海外ヘッジファンドが得意とする運用戦略に基づく投資信託だ。株式や債券、金融派生商品などを駆使し、相場の上げ下げにかかわらずプラスの運用を目指すというものである。聞こえは良いが中身はブラックボックスだ。一体どのような運用が行われているのか分からない。

そんな投資信託をお客様にどのように説明するのだろう。そんな投資信託の良し悪しを一体どのように判断すれば良いのだろう。正直なところ、私には「変わり種」投資信託を適切にお客様に説明するだけの自信がない。

「とにかくこの投資信託は儲かります」

結局のところ、絶対収益を目指すとは、そういうことなのだ。そんな説明をしなければならないのは、銀行員として心苦しい限りだ。

そう遠くないうちに、あなたのもとにも銀行員がとんでもない「変わり種」を売りにやってくるに違いない。くれぐれもご注意あれ。(或る銀行員)

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