英国のミレニアル世代を対象にしたFinTechサーベイから、9割以上がFinTechが何かを理解していないという事実が判明した。
その一方でこの世代によるデジタル金融サービス(モバイルバンキング、決済アプリなど)の利用が最も多く、7割が「Amazon、Google、Appleなど、大テクノロジー企業によるFinTech商品を購入する」と回答していることから、ミレニアルにはサービス内容そのものよりも、ブランドイメージが先行する傾向が強いことがわかっている。
銀行が総額1兆円を投じても埋められない消費者との溝
FinTechの主要ターゲット層、ミレニアル世代の動向に関しては、これまで実施された多数の意識調査などから、「デジタル化された金融商品やサービスを、実際に利用している割合が非常に高い」ということが判明している。
しかし欧州の注目スタートアップを紹介する「FinTech50」の発行元、英FinTech情報企業、FinTechCityによると、最新調査に協力した92%が「FinTechなんて聞いたこともない」と回答している。
つまりFinTechへの認識度が著しく低い状態で、FinTechの恩恵を受けているのだ。
また大手テクノロジー企業による金融サービスには70%が興味を示しており、「従来の銀行系サービスよりも、大手オルタナブランドを選ぶ」と回答している。
こうした結果は、FinTechというイメージそのものがミレニアル世代には意味をなさず、銀行よりもテクノロジー企業の商品やサービスに、より高い信頼を置いている実態を示している。
近年、大手銀行が1兆円を超える資金を投じて開発にいそしんでいるFinTechも、ターゲットにしている肝心の消費者に理解を得られていないようでは、効果も半減だ。
銀行は最新技術に熱を入れるあまり、最も重要な点を見落としているのではないだろうか。