中国,蓮舫,民進党,中国共産党,小池百合子
(画像=Webサイトより)

9月16日付の中国地方紙の国際面トップは米国とフィリピンの関係悪化で、紙面の3分の2を占めた。残り3分の1は蓮舫民進党代表のニュースだ。

見出しは「日本のヒラリー、民進党の女党首に」となっている。サブは「蓮舫、侵略歴史を承認、歴史教育の強化を呼びかける。父親は中国台湾省人」とあり、配信元の新華社は、どうも蓮舫新代表を持ち上げている印象だ。小池東京都知事誕生の時とは扱いが違う。記事を詳しく検討してみよう。

人物紹介や党首選など事実を伝える

日本の最大野党・民進党は15日東京で臨時党大会を開催、党首選挙を行い、蓮舫代表代行が新任の党首に当選した。任期は2019年9月までの3年間。民進党にとって前身の民主党から数えても初の女性党首である。

過半数の支持を得て、1回目の投票で、前外務大臣・前原誠司、国会対策副委員長・玉木雄一郎を破った。勝因は党内各派の支持を得たこと、一般党員からも広範な支持があったことによる。

蓮舫は今年48歳、父親は中国台湾省人、母親は日本人。流暢な中国語を話す。もとはテレビ局のニュースキャスター。2004年参議院議員に初当選し政界入りした。民主党政権時代は、内閣府特命担当大臣として行政制度改革を推進し、一躍名を挙げた。

事実関係に関する報道内容は正確である。

日本のヒラリー?

この先に今回の新華社色が強く出ている。歴史認識の問題では、彼女は侵略の歴史を承認し、日本社会は歴史教育を強化すべき、と主張している。安倍首相による8月15日の“日本戦敗投降記念日”の談話では“深刻な反省”に言及していない、とその内容を批判した。

政策の修正や実行に当たっては、公衆と一緒に未来を拓く方向を模索するタイプだ。また彼女は旧民主党イメージの代表者でもあり、常に首相への意欲を見せていた。テレビ討論にもよく参加し“日本のヒラリー”と称されていると報じた。

そのうえで蓮舫氏の発言を紹介。まず民進党は政権を担うに足る安心感を国民に与えること、目標は2020年までの東京オリンピックまでに安倍自民党から政権を奪回すること、女性の活躍について日常的に各国女性リーダーの動静に注視し、日本もこの勢いに乗って行きたい-ーといった具合だ。

好意的な筆使いである。ヒラリー・クリントン大統領の誕生を見込み、日本のヒラリーという言い方こそ最もインパクトが強いだろう、という応援メッセージだろうか。

久しぶりの事件「善玉入り」濃厚?

一般の中国人は、日本の政治家などほとんど興味はない。マスコミ報道によって、善玉あるいは悪玉として認定され、初めて知名度を得るレベルだ。

善玉の代表は、小沢一郎、福田康夫両氏。悪玉のそれは小泉純一郎元首相、安倍首相である。蓮舫代表はこの様子からして善玉入り濃厚だろう。これは久しぶりの事件である。それはそれとして、歴史認識に関わりなく、中国の拡大政策に対しては、はっきりモノを言ってもらわなければならない。善玉でいれば、中国との交渉余地は大きく広がる可能性もある。新代表の中国政策に注目である。(ZUU online 編集部)

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