6月の国民投票で英国のEU離脱が決まり、為替相場ではドル円が一時1ドル99円台に突入するなど、円高が急伸したことは記憶に新しい。いわゆる「Brexitショック」で、欧州のみならず世界各国の市場、為替に影響を与えた。

足元では、米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が8月末の講演で利上げの根拠が強まっているとの見方を示したことから、円安傾向に為替は推移した。しかし9月に入ってブレイナードFRB理事が講演で「金融を引き締める根拠は弱い」などと話すと、今度は米利上げ観測が後退。ドル売りが優勢となって円高に反転した。

各地で起きているイベントや関係者の発言で大きく上下している為替。これから年末くらいまでの短期を見通しても、先行きは不透明としか言えない状況で、円高・円安いずれになる可能性も指摘されている。

資産の一部は外貨建てにしておく

こうした状況の中で、いまや資産をすべて円建てで持つのがリスクであることは、投資家のみならずビジネスパーソンの常識となりつつある。既にさまざまな金融商品が外貨建てで販売されており、FX(外国為替証拠金取引)に限らず、外貨投資したり資産の一部を外貨建てで持ったりすることは難しくなくなっている。

外貨建て商品の中でも、外国にビジネスやプライベートで渡航する機会がある人には使い勝手がいいのが外貨預金だろう。最近は外貨を海外でそのまま使える外貨決済に対応したカードも増えてきているので、為替の状況に応じて現地通貨で支払うという選択肢が選べるからだ。

外貨預金で持てる主な通貨について見ていこう。まず基軸通貨である「米ドル」。米国は今秋大統領選挙が控えている。民主党・共和党どちらの候補者が大統領になったとしても、貿易赤字が続く中で新政権がドル高を望むかは疑問だ。利上げの時期も気になるが、ここから大きく円安ドル高に向かうとは考えにくそうだ。

「ユーロ」は最近、欧州中央銀行(ECB)が追加の量的緩和を見送り、政策金利を据え置いたことから、主要通貨のほとんどに対して上昇したばかり。資源国通貨として人気の高い「豪ドル」は、資源価格の落ち込みにより年初から下落傾向だった。Brexitショックで下落したが、信用不安リスクの後退や総選挙の与党勝利で反発。その後は追加利下げの発表もあったが、世界的な円高傾向の中で対円では軟調だ。

豪州と経済的なつながりの強いニュージーランド。先進国の中でも政策金利が高く2%あることから、「NZドル」高の傾向が続いている。日本や欧米の先進国がマイナス金利政策を採っているなかでは、通貨安への転換は難しそうだ。

このほかにも、Brexitの際に対ユーロで急上昇し、中銀が為替市場に介入した「スイスフラン」。春先に対ユーロで13カ月ぶりの高値をつけた「スウェーデンクローナ」。ちなみにスウェーデン経済は好調で、中銀も2017年下期まではマイナス金利の現状を変えない考えだ。

最近発表された第2四半期の経常収支が過去2番目の大きさだったカナダの「カナダドル」や、米ドルにペッグされている「香港ドル」。資源輸出に経済を依存している南アの「南アランド」などが、国内銀行の外貨預金で持てる主な通貨と言っていいだろう。

海外に行くならデビットカードを

現在、日本に限らず複数の先進国がマイナス金利、またはゼロに近い超低金利政策を採っている。日本では銀行預金も歴史的低水準だ。しかしそんな中でも比較的金利の高い国もある。例えば豪州は政策金利1.5%、ニュージーランドは2.0%だ。これらの通貨で預金したほうが、日本円で預金するよりも金利が多くつくことは間違いない。

今回挙げた、主な外貨を持つことができるのがソニー銀行の外貨預金。もし海外に渡航する機会があるビジネスパーソンなら、持っておきたいのがVisaデビット付きのキャッシュカード「Sony Bank WALLET」だ。日本で預金した外貨を、海外でそのまま使う事ができるのが特徴だ。

国際派のビジネスパーソンはクレジットカードも使いこなしているだろうが、海外ではデビットカードでの支払いは日本とは比べ物にならないくらい浸透しており、1枚は財布に入れておきたい。

デビットカードの長所は、預金口座から即時支払われることだ。取引履歴や残高がリアルタイムで確認でき、現金感覚で使えるが、クレジットカードのスマートさも兼ね備える。

Sony Bank WALLETは、円やドル、ユーロ、ポンドなど11通貨の普通預金口座から、直接ショッピングの支払いに使ったり、海外ATMで現地通貨を引き出したりできるので便利だ。現金にはない不正利用補償やショッピング保険がついていることもメリット。さらにアプリやWEBで利用履歴が確認できて簡単に管理できるし、国内での買い物では最大2%キャッシュバックされるのもうれしい。

外貨口座にお金が足りなくても大丈夫

また特徴的な機能として「円からアシスト」がある。同行が特許出願中の機能だ。外国でショッピングした際、外貨の利用金額は、外貨預金の残高があればそこから引き落とされる。もし残高が不足していても、日本円が口座にあれば不足分をソニー銀行の為替レートで自動的に充当してくれる。

外貨決済のメリットとして、外貨購入時の為替レートを自分で選べる事が挙げられる。今までは渡航時の為替レートに振りまわされていたが、円高のときに外貨を購入しておけば、為替レートの変動によるリスクを抑えられる。海外渡航した際に、事前に外貨を購入したときの為替レートより円高が進んでいた場合は、敢えて外貨残高を足りなくしておき、「円からアシスト」で円から支払うという裏技もありそうだ。

200以上の国と地域で使えるSony Bank WALLET。今まで現金やクレジットカードのみを使っていたというビジネスパーソンは、1枚持っておいて損はないだろう。