人工知能の技術を使ったビッグデータ分析サービス「EIセンチメント」を活用し、日経平均株価の変動に影響を与えた市場心理を探る「EIセンチメント + ZUU online サーベイ」。今週のキーワードトップ10を紹介する。

EIセンチメントは、エコノミックインデックスが独自のビッグデータ分析サービスとして提供するもので、日経平均のように日々変動する数値指標に対して、あらかじめ指定したキーワードが同一期間にTwitter上で出現した回数との相関を解析し、数値指標の変動要因を明らかにする。

それではトップ10キーワードと影響力を見てみよう。同社が算出したデータをもとに、ZUU online編集部で「なぜそのキーワードの影響力が高かったのか」を検証してみた。

「働き方改革」の本丸は永田町と霞が関?

順位 キーワード 影響力 出現回数
1 アラブ 5.28 850
2 ハロウィン 5.27 77,523
3 大統領選 2.82 2,153
4 景気 2.50 1,931
5 コンプライアンス 2.01 1,931
6 旅行 1.48 48,494
7 就職 1.28 8,197
8 該当なし - -
9 該当なし - -
10 該当なし - -

(データ提供= エコノミックインデックス

先週から続く円安・株高を受けて1万7000円超えからスタートした今週の日経平均、翌日からは利益確定の動きもあって軟調な動きとなったものの、14日(金)に反発したタイミングでスコアを取ったキーワード「アラブ」が、今週のトップスコアとなった。

普段と変わらず「アラブの石油王」といったネット上のネタが主体と見られるものの、同日報道された“ソフトバンクによる10兆円ファンド設立”というニュースの中でアラブ・マネーの出資が明らかになり、日別の出現回数が倍増したことで相関を示した。

同じく金曜日には今週2位の「ハロウィン」が登場するが、秋の風物詩としてすっかり定着した感のある消費イベントが、週末に向けた各種販促キャンペーン告知の増加によってスコアを取った。

連休明けの上げ相場となった11日(火)には、「景気」、「コンプライアンス」、「旅行」、「就職」が現れた。

同日発表された9月の「景気」ウォッチャー調査に関する報道に加え、国会論戦で明らかにされた大阪万博招致の動きの中で景気対策としての功罪が話題となった。「コンプライアンス」は電通社員の過労自殺に関する話題の中で広告費の不正請求問題などと合わせて増幅し、政府が進めようとする“働き方改革”の議論にもつながったようだ。「旅行」や「就職」も同じく過重労働や週休3日制といった“働き方改革”に関連する話題の中で現れたが、「旅行」については週末に報道された外国人旅行客と一般市民との軋轢に関する話題が注目を集めた。

12日(水)の「大統領選」は、日本時間の10日(月)午前に開かれた米国・大統領選における第2回目のテレビ討論会を論評する話題が中心だったが、5月に行われたオーストリアの大統領選におけるドタバタが引き合いに出されるなど、“消去法”を揶揄しながら選挙後の不安感が尾を引く格好となった。

スコアを取れたキーワードが限られた今週は、“働き方改革”にひもづく話題が目についた。国会の議員定数問題しかり、財務省と他省庁との予算折衝にからめた密室協議しかり、構造改革へのリーダーシップが見えない中で閉塞感に包まれた日本社会の現状を見せつけられた機会でもあった。(ZUU online編集部)

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