資産運用,ポートフォリオ,投資
(写真=PIXTA)


ポートフォリオと聞いて、あなたはまず何を連想するだろうか。

ポートフォリオとは英語で、書類を運ぶためのケースを意味する。また元々、美術界では自己の作品を他者に示すための作品集のことを指す。

しかし、投資の世界ではリスク分散、分散投資という意味で用いられ、今日ではそちらの意味の方が一般的だ。また、ポートフォリオの理論は経営学の領域でも一般化されており、企業の多角化もポートフォリオ理論に基づいて展開されている。

今回は、投資におけるポートフォリオの組み方について取り挙げる。


投資におけるポートフォリオとは?

元々の意味は先述した通りだが、投資におけるポートフォリオについて、基本的な部分をもう少し掘り下げて話を進める。

投資の世界では、リスクを回避するために、複数の金融商品に投資を分散させることをポートフォリオという言葉で表現している。「複数の卵を一つのカゴに入れるな」という有名な言葉がある。これは、一つのカゴに卵を入れてしまうと落とした際に全てが割れてしまう、卵を運ぶ時は二つ以上のカゴに入れて運ぶべきだ、という意味である。転じて、投資をする際に一つの金融商品に全ての資産を投資することの危険性の示す提言となっている。

企業の事業展開を例にとると、一つの事業を中心に行っている企業は、その事業への依存度が高く、そこからの収益が減ってしまうことは直接企業へのダメージとなる。もし、事業の多角化を行っており、分散された収益があれば、他の事業を行っていることでダメージを最小化できる。これがポートフォリオの考え方である。

資産運用はリスク分散が大事

ではなぜ投資には分散させることが必要なのか詳しく見ていく。例えば、あなたが国内株式投資に興味を持っており、運用資金が1000万円あったとする。1つの銘柄にその1000万円すべてを投じた場合、その銘柄暴落してしまった際、そのすべての資金に対してダメージを受けてしまう。

では、1銘柄ではなく2銘柄を購入し、加えて外貨預金や外国株式などにそれぞれ分散して資金を投資していた場合はどうだろうか。仮にそれぞれ250万円ずつ分散して資金配分していれば、暴落のリスクを減らすことができる。

投資先を複数持つことで大きなリターンを得ることにすべてをかけるのではなく、全体として増益できるように分散投資することがポートフォリオだ。

ただし、ポートフォリオを組む際には、同じ変動リスクが起こりうる商品を選ぶべきではない。つまり、それぞれが独立し、相関性がないものである必要があるということだ。ミクロな視点でいれば、国内株式の銘柄を分散させることもポートフォリオとも言えるが、外国株式やヘッジファンドなど、マクロな視点でのポートフォリオも必要となる。

ハーバード大学のポートフォリオを参考に

ハーバード大学が、Harvard Management Company(HMC)というファンド会社を経営していることはご存知だろうか。設立の目的は研究だが、HMCが投資における理想的なポートフォリオを発表している。様々な資産クラスがバランス良く配分されていて、リスクが低く初心者向きと言われている。どのようにポートフォリオを組んだらいいかわからないという方は、是非参考にしてほしい。

具体的な項目としては株式投資を中心に、ヘッジファンド、資産・不動産の現物投資、固定収益(債券等)との内容になっている。さらにその中に、それぞれ細かな項目があり、その割合は毎年見直され、発表されている。ハーバードの知識を、自身のポートフォリオと照らし合わせ、バランスを見直してみるのもいいだろう。

ただし、ハーバードのポートフォリオはあくまでリスクを分散する考え方ではあるが、それは収益についても分散されてしまうことも忘れてはいけない。つまり、安定的な収益を目的とするのか、少しリスクを多めにリターンを増やしていくのか、その割合は投資スタイルによって変えることをお勧めしたい。

自分のスタイルにあったポートフォリオを

どんな投資にもリスクがあることは、避けて通れない。しかし、このようにポートフォリオを組むことで、そうしたリスクを最小限に抑えることが可能になる。ただし、ポートフォリオを安定性のあるものにするのか、リスクが大き目ではあるが、ハイリターンを期待できる割合にするのかは、あなたの資産状況や投資スタイルで変えていく必要がある。当然、ローリスクであればリターンも少ない。つまり、手元の投資資金や今後の自身のライフスタイルを鑑みて、自分にあったポートフォリオを検討していこう。

また、一度組んだポートフォリオを定期的に見直す作業も欠かせない。人生において、いつどのタイミングでどれくらいの資金が必要となるかは人それぞれだ。始めに組んだポートフォリオが、数年後のライフスタイルに合ったものか見直して欲しい。