株式,情報,活用
(写真=Thinkstock/GettyImages)

株式投資に情報収集は不可欠なものだ。銘柄と株価だけをみて投資する人はまずいないし、それで十分な運用成果を得られるとは考えられない。その一方で情報過多に陥っても効果的な投資を行うことはできないだろう。効率的な情報収集と有効な分析を行うためには、きちんとした戦略が必要だ。


株式投資における情報の重要性

株式投資における情報分析はファンダメンタルズ分析とテクニカル分析に大別される。ファンダメンタルズ分析は国や世界全体の政治・経済情勢、企業の財務内容など、株価を決定する基本要素の分析を行い、企業の根源的価値をロジカルに求める手法である。投資家は自ら算定した理論価格と市場価格の差を捉え、割高銘柄の処分と割安銘柄の取得を行うことにより利益を確保できるという考え方だ。

一方のテクニカル分析は、過去の株価推移を分析し先行きを予測する手法である。単純な言い方をすれば、「A社の株価が5営業日連続で上昇すれば6営業日目には反落する」といった株価変動の法則性を見出し、それに基づき売買銘柄を選択するというアプローチだ。市場価格は株式に関する投資家のあらゆる見解が反映されたものであり、その動きを分析すれば株価を正しく予測できるという考え方である。

このように両者は完全に異なる分析手法で必要な情報も全く違う。投資家には、まず膨大な情報の中から、自らの分析に必要な情報のみを的確に選別する能力が求められるだろう。

リアルタイムに情報を取得する方法

株式が市場で取引されている間、株価は刻々と変化する。GDP(国内総生産)、日銀短観(全国企業短期経済観測調査)、CPI(消費者物価指数)などの重要統計が公表されたり、業績予想修正など個別企業の重要な適時開示が行われたりすれば株価は大きく変動する。このため、投資家は常に多種多様な情報を把握しなければならない。

トムソン・ロイター、ブルームバーグ、日経QUICKなどは、政治・経済ニュース、市況(株式、債券、外国為替、先物、デリバティブ)、個別銘柄データ、市場・銘柄分析レポートなどの情報をウェブ上で提供している。

ネット証券会社も自社の顧客向けにIPO(新規公開銘柄)初値予想や銘柄分析などに関する情報を提供している。東証やYahoo!ファイナンスなどのサイトからも市場全体や個別銘柄の情報を入手できる。自社サイトに株価を表示している企業もあるので、特定銘柄の値動きだけを知りたい場合はこちらをチェックする手もある。

これらの中には有料情報も多く含まれるが、無料情報だけでも基礎的な分析データは十分に収集できる。

会社に関する情報の調べ方

適時開示情報など東証が上場企業に公表を求めるものは、日本取引所グループのサイトにアクセスすれば全て無料でみられる。また有価証券報告書や株券などの大量保有報告書など、金融商品取引法により届出義務が課されている一部書面は、金融庁のEDINETに格納されており無料で閲覧可能だ。

大半の上場企業は自社サイトにIRコーナーを設けている。情報公開の範囲は企業により異なるが、適時開示・法定開示資料に加え、定時株主総会の参考資料、統合報告書(財務情報と経営戦略、コーポレートガバナンス、製品・サービス品質などの非財務情報の関係を分かりやすく比較可能な形式で取りまとめたもの)、投資家・アナリスト向け説明資料(IR資料)などを閲覧できる。

またトップページやIRコーナーなどには最新トピックスが時系列に表示されている場合が多いため、個別銘柄に絞った情報収集を行う場合はまず企業サイトにアクセスすると良いだろう。

こんな情報収集の仕方も

会社法第433条では総議決権の3%以上を有する株主に対し会計帳簿の閲覧権を認めている。株主から理由を明らかにした請求を受ければ、原則として企業は営業時間内の閲覧を拒否できない。

マザーズ上場企業など発行済株式総数があまり多くない銘柄へ投資した場合は、この権利を行使して会社に乗り込むことも考えられる。一連のやり取りを通じ当該企業のコンプライアンスや株主に対する考え方を肌で感じることもできるだろう。

銀行、証券、保険、不動産会社など業法に基づく免許・登録を受けている企業については、店頭を訪れ標識掲示やディスクロージャー誌の備え置きなど、法令に規定された義務を履行しているか否かを確認する手もある。これらを適切に行っている企業は、コンプライアンスや内部管理の品質が一定水準に達していると推測することも可能だ。

あまり規模が大きくない企業の場合は、転職情報サイトで中途採用計画をチェックして業績見通しの妥当性を検証することも考えられる。例えば、積極的な新規出店により大幅な売上増を計画している外食チェーンであれば、店長、スーパーバイザー、商品開発担当者などの募集が増えているはずだ。大胆な業績拡大を謳っていながらも積極的に採用活動を行っていなければ、その計画の実現可能性を疑った方が良いだろう。

個別企業の将来性や株価推移を予測する際には、オーソドックスな情報だけに頼らず、さまざまな方法で集めたネタを活用することも重要だ。