2014年のNISAの制度化以来、ますます注目を集めいている投資信託。投資に対する専門的な知識を持っていない人でも、簡単に始めることができるということから、魅力に感じている人は多いだろう。今回は、投資信託にはどのような手数料がかかるのかについて、掘り下げて解説していく。

目次

  1. 投資信託とは
  2. 投資信託の手数料の仕組み
  3. 手数料の種類
    1. 販売会社への入出金手数料
    2. 買付手数料
    3. 信託報酬
    4. 信託財産留保額
  4. あなたにとって投資信託は最適な商品か
  5. 自分の目で確かめることの重要性

投資信託とは

投資信託とは一言で言えば、あなたに代わって投資のプロがあなたの資産を運用し、利益を出し、投資額に応じた利益を還元する投資スタイルである。同じように資金を出している投資家から集めた、まとまった資金を専門家が運用を行ってくれるのだ。

メリットとしては、専門家があなたに代わり情報収集、リスクマネジメントなどを行い、資産の管理を行ってくれるという点であろう。また、月1,000円からの積立投信というものもあり、少額から始められるというのも人気の理由でもある。

しかし、もちろん投資信託にもデメリットは存在する。まず、投資信託は、元本が保証されているものではないということが挙げられる。預金とは異なり、リターンが期待できる分、リスクも負うことになると言える。そうした不確実性は投資信託のデメリットである。

加えて、投資信託にはさまざまな手数料が掛かる。中にはノーロード商品と呼ばれる、購入手数料が無料の商品も存在するが、それ以外にも各種手数料が存在する。

投資信託の手数料の仕組み

本項では、手数料の詳細について説明していくが、ここでは大きな流れを把握してほしい。

投資信託に限らず、金融商品を購入する際には手数料が発生する。これは、店舗型の販売会社では、窓口業務などの人件費とも言えるかもしれない。ネット型の場合にでも、システムを運用するためには費用がかかる。つまり、販売会社を運営するための費用である。

投資信託の場合それに加え、プロによる運用という部分に当然手数料が掛かる。それが、信託報酬と呼ばれるもので、日々の資産の管理や、情報収集など運用に関わる業務に対する手数料と言える。信託報酬は、見直されることもあるが年率が決められている。つまり、投資のプロは利益を出せば出すほど、購入者はもちろん販売会社へ貢献していると言える。

それ以外に、入出金など資金を動かすための基本的な手数料もある。

手数料の種類

手数料の種類は、細かく分類すると4つも存在する。順に見ていこう。

販売会社への入出金手数料

自身の銀行口座から、投資信託を購入する口座への資金の振込時に掛かる手数料である。これは各会社により異なるが、積立投信や即時入金というシステムをとっている会社の場合、引き落としにより手数料がかからないことも多い。また、出金をする際にも手数料が掛かる会社もあるので、事前に確認が必要だ。

買付手数料

これは、購入時手数料ともいうが、各会社によりそのパーセンテージは大きく異なる。アクティブ型と呼ばれる、リターンの大きな商品では手数料が高い傾向にある。ノーロード商品と呼ばれるものは、この買付手数料が無料のものを指している。

信託報酬

この部分が投資信託の手数料として最も大きな割合を占めることになる。これは、投資信託というシステムならではのものであり、保有している限り年率何%というかたちで日々差し引かれることとなる。各手数料の中で、最も注目してほしい手数料である。

信託財産留保額

自身が購入した商品を解約する際に掛かる手数料である。解約することで、他の保有者への負担が不公平とならないよう、純資産額を補うためのものである。

あなたにとって投資信託は最適な商品か

ご覧いただいたように、投資信託にはさまざまなかたちで手数料がかかる。中でも、信託報酬の高い商品は購入する前によく検討してほしい。投資信託の商品を見ていると、売れ筋ランキングなどがあり、中には「みんなが選んでいるなら安心」と内容を検討せず、購入してしまう人もいる。

窓口で勧められた商品にも注意を払いたい。販売会社には「売りたい商品」というものが存在する。それはつまり、信託報酬が大きいものである可能性があるということを忘れてはいけない。あなたにとって最適な商品なのか、販売会社にとって最適な商品なのかを見極める力は最低限必要となるだろう。

また、投資信託の運用益は所得として課税の対象となる。税金、手数料などを総合的に見て、投資スタイルを決めてほしい。

自分の目で確かめることの重要性

一見、魅力的な部分が多く、投資初心者はつい目がいってしまう投資信託。多くのメリットもあるが、その裏にあるデメリット、リスク、コストについてもしっかりと目を向けていただきたい。

投資信託はNISA口座をうまく活用することで、節税をすることも可能である。また、信託報酬においても、それぞれの商品を比較、検討することで相場がつかめてくるだろう。投資目的を明確にし、自身のライフスタイルに合った商品を選んでいきたい。