テクノロジーが進化していく中で、不動産流通はどう変わっていくのかー。9月28日に東京・大手町で開催されたセミナーイベント「CNET Japan Conference 2016」(主催:朝日インタラクティブ)。このイベントでは米国のIT不動産事業者「Zillow(ジロー)」や、国内で不動産事業を手掛けるリブセンス(東京都品川区)の担当者が講演した。
72%が利用
基調講演に登壇したのはサイト「Zillow(ジロー)」を運営するZillow Group(米国・シアトル)の産業担当ディレクター、ブライアン・デ・シェパー氏だ。
ジローは日本でいうスーモやアットホーム、ホームズと似た不動産情報のポータルサイト。日本ではまだあまり知られていないサイトだが、米国で家探しのために使うサイトとしては非常に認知度が高いと同氏は語る。「調査によれば不動産探しをしている人の72%がジローを使っており、その利用者の数は月間1億7000万以上」
1億3000万の物件
なぜジローの利用者が多いのか。一つは不動産情報の豊富さだ。「米国内の1億3000万件の物件データを登録している」
これらは米国のプロの不動産業者が使用する物件情報サイト「MLS」などのデータを活用して、ユーザーに分かりやすく表示している。ジローのサイトには物件の写真はもちろん動画まである物件もある。これらの物件情報は家の持ち主が写真を差し替えるなど更新することもできる。
自動で査定
もう一つの特徴が「ゼスティメイト」という自動査定機能だ。物件の属性や過去の売買価格など様々な情報をもとに、家の自動査定が可能。「これは売却中の物件以外でも、一件残らず査定が可能だ」(同氏)
シェパー氏は技術の革新によって不動産市場も一変すると見る。「10 年前、私たちの会社は存在しませんでしたが、今3000人の従業員がいる。世界は新しく生まれ変わっている」
デジタルに精通せよ
同氏によれば現在30億人がインターネットを利用。だが2020年までに750億のデバイスがインターネットにつながり、毎月グーグルで1000億の検索がなされるようになると話す。
「こういった変化は北米の不動産市場にどんな影響を与えるか。リアルター(不動産会社)は完全にデジタル分野に精通していることが求められます」
そしてこれからはモバイルの時代だと語気を強める。
「今後2年の間でモバイルにおいて存在を確立しておかなければなりません。不動産業界も例外ではない。もしその対応を怠ればゆっくり淘汰される。北米ではそういうことが起こっていますし、変化は信じられないくらい早い。やるかやらないか二者択一だ」(提供: リフォーム産業新聞 2016年10月18日掲載)
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