ビットコイン,ビットコインとは
(写真=PIXTA)

世界中でビットコインの利用者は続々と増えており、日本も例外ではない。
しかしビットコインという名前は聞いたことがあるけど、実際どういうものかは分からないという人もいるでしょう。

そんな人のために、ビットコインについて詳しく解説する。

目次

  1. ビットコインとは?
    1. 仮想の通貨
    2. 管理組織がない
    3. 上限がある
  2. 電子マネーとは違う?
    1. 1.     お金を企業に預けるか、預けないか
    2. 2.     使える広さ
  3. ビットコインのメリット
    1. 送金が楽で早くて安い
    2. 政府や銀行を信頼しなくても大丈夫
    3. ビットコインが無価値になることはない
  4. ビットコインの怖さ
    1. 1.価値が変動しやすい
    2. 2.システムや取引所が信用できるか
    3. 3.責任者が誰か分からない
  5. こんな時におすすめ
    1. 海外送金
    2. 資産を守る
  6. ビットコインは日本でも流行るか

ビットコインとは?

ビットコインとは、「サトシ・ナカモト」を名乗る人物がweb上で発表した論文をもとに2009年に誕生した通貨である。通貨と言ってもビットコインは円やドルなどの他の通貨と異なる点がいくつかある。

仮想の通貨

ビットコインは円やドルのような紙幣や貨幣ではなく、電子上に存在している仮想の通貨なのだ。

管理組織がない

ビットコインは政府や銀行などが発行・管理しておらず、世界中の協力者と高度な技術によって仕組みが保たれ、そのシステムを信用している人たちによって取引されているのである。

上限がある

ビットコインは発行量に上限があらかじめ決められている。その上限は2100万ビットコインであり、現在1500万~1600万ビットコイン程発行されており、当分は発行し続けられる。

ちなみに2100万ビットコインはどのくらいか計算してみると、1コイン=約8万円(2016年11月17日時点)であるため、2100万ビットコインは総額1兆6800億円となる。

電子マネーとは違う?

ビットコインには円やドルのような紙幣や貨幣があるのではなく、電子上に存在している仮想の通貨と説明した。これでは電子マネーと同じではないかと思う方もいるだろうが、Suicaや楽天Edyなどの電子マネーとビットコインとでは大違いである。

1.     お金を企業に預けるか、預けないか

電子マネーの仕組みは、お金を企業に預けその対価として電子マネー上のお金を受け取ることである。Suicaを例にとってみよう。SuicaをチャージするとSuicaのお金が増える。これはJR東日本に対して円を預けることで、対価としてSuica上の「円」が増えるということである。

これに対しビットコインは取引所での両替で手に入れる。どこかにお金を預けるという訳ではなく、円をドルに換えるといった両替となんら変わりない。ビットコインの取引所はオンラインにたくさんあり、それぞれ別企業が運営している。

2.     使える広さ

企業にお金を預けて使う電子マネーは提供元の企業が及ぶ範囲でないと使えない。それに対し、ビットコインは導入している店さえあれば世界中どこでも使える。それに店側も、クレジットカードの読み取り機のような特殊な機器は必要なく、タブレットさえあればアプリをダウンロードして会計することが可能だ。

また、電子マネーは一度チャージしてしまうと換金できない。Suica上の「1000円」を1000円札に変えられないことを思いだして欲しい。だがビットコインであれば両替できる。しかも円だけでなくドルなどの世界中の通貨へ両替できるのだ。

ビットコインのメリット

送金が楽で早くて安い

ビットコインの送金スピードはとても早い。だいたい送金する際は金融機関を介すが、これだと信用調査など手続きで2,3日かかってしまう。それに対して、ビットコインは調査などに10分最大でも1時間で完了するので送金に時間がかからない。

加えて、海外に送金する際にその国の通貨に両替する必要もない。マイナーな通貨で、普通の両替所では換えられない国にいても安心である。そして送金手数料が0.0001ビットコインであったり、無料の場合もあったり、非常に格安なのである。

政府や銀行を信頼しなくても大丈夫

日本政府や日本の銀行は世界からみてもかなり信頼されているが、財政状況が不安定な国や財務状況が心配な銀行は世界に数多くある。もし、そのような国に長期滞在することになった時を考えよう。経済の不安定さから預金先の銀行が突然預金封鎖を行って、預金が無かったことになってしまう可能性がある。

そんな時ビットコインであれば、住んでいる国や金融機関に影響されることなく財産を保持できるのである。これは政府、銀行、企業、どこにも帰属していないビットコインの特徴の強みであると言えよう。

ビットコインが無価値になることはない

ビットコインの特徴として発行量が決まっていることをあげた。発行量がコントロールされていることによって、ビットコイン自体のインフレは起きなくなるのである。

もしビットコイン自体に信用できなくなった日が来ても、ビットコインは他の通貨やたくさんの仮想通貨に対して換金性が高いため、すぐ両替できる。

ビットコインの怖さ

メリットがたくさんあるビットコインでも、意識しなければいけないデメリットがある。

1.価値が変動しやすい

ビットコインと円やドルなどの通貨とのレートは、固定ではなく変動している。そして、そのレートは激しく変動しているのが現状だ。今日8万円で購入した1ビットコインが、明日には6万円になってしまう可能性もあるのだ。

またこの特徴を利用して、ビットコインで儲けようとする人も多く、売買が激しく行われ価値が安定していないのも現状である。

2.システムや取引所が信用できるか

多くの方がビットコインで心配する問題点に、システムが乗っ取られてしまうことが挙げられる。

実際にある事件をきっかけにしてビットコインの知名度が広がったことも原因である。ある事件とは「マウントゴックス騒動」とも呼ばれ、ビットコインの取引所の一つである「マウントゴックス」でビットコインが消失してしまった事件である。この事件でビットコインへ悪い印象を持ち、ビットコインに手を出さないほうが良いと感じってしまった人も多いだろう。

ただこの事件は、「マウントゴックス」の運営に問題があり、ビットコインやそのシステムに汚点があったわけではないのだ。ある証券会社がハッキングされて、株データが消失し顧客にも大損害がでたとしても、株式市場に対しての信頼がなくならないのと同じことである。

とはいえ、同じような事件が二度と起こらないような対策もまだ不十分である。それにビットコインは十年も経っていない新参通貨であり、システムも取引所も十分な信用を得るほどの運営期間は経っていない。

3.責任者が誰か分からない

ビットコインを管理している組織がないということは、誰も責任を取ってくれないという問題点がある。そればかりでなく、問題が起きてもそれに対処するための施策を行う組織がないのである。

代表的な利用者が運営する「ビットコイン財団」という非営利団体が存在するが、メンバーの不祥事が続いたり、資金不足による経営破綻寸前したりと問題続きで影響力を失いつつある。それにビットコインへの問題解決も滞っている。

こんな時におすすめ

ビットコインをどのような時に活用すれば良いかを紹介しよう。

海外送金

海外送金が早くて安くなったことにより、よりグローバルに仕事を頼みやすくなった。海外へ仕事を受注する人は金融機関を通すよりもより効率的になる。

スカイプなどで英語の指導を頼んでいる海外の人への授業料や、留学している子どもから急にお金が必要になったとき、家族が海外旅行先で病気になり高額なお金が必要になった場合など、ビットコインを使うことでより早くより安く送金できる。

資産を守る

メリットでも紹介したが、ある国の通貨や銀行を信用していなくともビットコインで価値を保蔵できる。 滞在している国の経済状況で不安になったら、ビットコインで資産を守るのも一つの手だ。

ビットコインは日本でも流行るか

現在日本の多くのビットコイン使用者の目的が、決済ではなく儲けるために利用している。また日本ではSuicaや楽天Edyなどのプリペイド決済が主流となっており、わざわざビットコインで決済しようとする人が少ない。ビットコインをオンラインショッピングなどでは使えるところもあるが、街中の店でビットコイン支払いできるのは極々少数であるのが現実である。

ただ年々利用者が増大しており、レートも安定に近づいている。加えてオンライン決済を中心にビットコインで決済できる機会も確実に増えている。ビットコインが日本でも流行るのも時間の問題であろう。

ビットコインはまだまだ駆け出しの通貨である。だが、高度な技術を用いて他の通貨のデメリットを補う形で登場した通貨ともいえるのだ。ビットコインを賢く使い、他の通貨にはないメリットを生かしていこう。