インテリジェンス,DODA,FinTech,ZUU,セミナー
(写真=FinTech online編集部)

近年、金融業界を中心にFinTechが盛り上がりを見せているが、実はきちんと理解している人は、そこまで多くないのではないだろうか。そのようななか、金融業界勤務者を主な対象とした
「今さら聞けない FinTechの基礎をイチから学ぶ入門セミナー」が11月21日(月)の夜、東京・丸の内のインテリジェンスで行われた。

FinTech企業の取締役が教える

このセミナーは、9月5日(月)に行われた「金融機関人事担当者向けセミナー」、9月14日(水)に行われた「金融業界勤務者向けキャリアビルディングセミナー」、10月20日(木)に行われた「FinTech企業3社の経営陣パネルディスカッション」に続くFinTechイベントだ。主催のインテリジェンスが運営する転職サービスDODAには、多くの金融業界の求人案件が登録されている。また、転職を検討している金融業界ビジネスマンの登録も多い。

セミナーにはZUU取締役の一村明博FinTech推進支援室長が登壇し、トレンドや仕組みについて解説した。ZUUは金融経済メディアや資産管理ツールを運営しており、FinTech企業と呼ばれることが多い。

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ZUU 一村氏

FinTechとは?

FinTechとは金融(Finance )と科学技術(Technology)を掛け合わせた言葉だ。会計、融資、決済、個人の資産管理などあらゆる分野に広がっている。

一村氏によると、FinTech企業とは2つに大別できるという。ひとつは実際にFinTechサービスを開発している会社、もうひとつはそのサービスを活用してビジネスを拡大している(しようとしている)会社だ。一般的に前者はベンチャー企業が多く、後者は銀行や証券、保険やカード会社など既存の金融機関が多い。

FinTechサービスを開発している会社

セミナーのなかで一村氏は具体例を挙げてFinTechサービスを開発している会社を紹介した。

例えば、家計簿アプリの「マネー・フォワード」だ。使用している金融機関の口座を入力すれば、自動的に家計簿が作成できる。登録金融機関が複数にまたがっていても問題ない。スマートフォン版アプリでは、レシートを写真撮影するだけで、レシート内容が自動で認識され、その買い物内容が家計簿に反映できる。

FinTechサービスを活用している会社

サービスを活用している会社は、既存の金融機関中心に紹介された。主要顧客の高齢化が進む金融機関は、若年層や資産形成層を対象に、スマートフォンの普及を活かしたマーケティングを進めているという。

伊予銀行が運営している自社メディア「iyomemo」、みずほ証券が運営している自社メディア「お金のキャンパス」などのオウンドメディアがそれにあたる。ふくおかフィナンシャルグループは、スマホ時代に即した新しい顧客体験を提供することを目的に「iBank」という金融サービスプラットフォームを立ち上げた。

ロボアドバイザーも外せないキーワードだ。今まで、富裕層以外は受けることが難しかった個人個人に合った資産運用サービスを一般の人も受けることができる。セミナー中には、マネックス・セゾン・ヴァンガード投資顧問が提供を開始した個人向けロボ・アドバイザーサービス「MSV LIFE」のデモ画面を来場者全員で操作し、それぞれに合った資産配分を調べるというシーンもあった。

今後もFinTechセミナーを開催予定

その後、来場者と登壇者との質疑応答の時間があり、様々な質問が投げかけられていた。セミナーの最後には、インテリジェンスの鈴木智勝・金融業界専門キャリアアドバイザーが金融機関の求人傾向や転職動向について解説した。同社は今後もFinTechの業界、採用、転職に関する情報を蓄積していくという。

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インテリジェンス 鈴木氏

FinTechの基礎を理解し、その影響を把握しておくことは、今後のキャリアの方向性を考える上できっと役に立つはずだ。今後も動向から目が離せない。( FinTech online編集部

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