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(写真=PIXTA)

ビジネスパーソンのメンタルケアは、いまや社会的な課題となっています。2015年には、企業でも社員のストレスチェックが義務化されました。

そんな中、アメリカ国防総省が採用したとして話題になっているメンタル強化法が「マインドフルネス瞑想」です。今回は、その効果と実践法を調べてみました。

「メンタルケアは自分で」が健康への近道

世界でうつ病を患う人の数は約3億5,000万人(WFMH<精神保健連盟>の調査より)といわれ、メンタルケアは国を問わずひっ迫した課題です。

日本でも2015年12月に企業におけるストレスチェックが義務化され、50人以上の従業員を抱える事業所では厚生労働省が定めた方法により、労働者のストレス度を定期的に調べることとなりました。調査の結果ストレス度が高いという判定が出れば、産業医の指導を受けるなどの対策がとられます。

しかし、産業医の指導を受けるためには人事部の担当者との面談が必要な場合もあり、ただでさえストレスを抱えた状態の人にはさらなる負担になりかねません。また、産業医の指導は希望者が多く、申し込みをしてもなかなか指導を受けられないケースもあるといわれています。

ストレス解消に効果的な「マインドフルネス瞑想」の実践法

そこで、自分で気軽にできるメンタルケア法として最近注目されているのが「瞑想」です。約200万人の現役軍人を抱えるアメリカ国防総省でも採用され、話題になっています。

日々過酷なトレーニングを課される軍人たちには、肉体的負担だけでなく、精神的負担が大きいものです。ストレスフルな環境にあってもタフに仕事をこなすためには、ストレスを随時解消していくことが大切だ、というわけです。

採用された瞑想法は、心理学や認知行動療法の知識にもとづいた「マインドフルネス瞑想」というエクササイズ法です。マインドフルネスとは、良い、悪いといった価値判断を排して物事をあるがままに受け入れることを指します。

これを取り入れた「マインドフルネス瞑想」は、姿勢を整えて静かに座り、自分の呼吸に意識を向けて今起こっていることをあるがままに感じる方法です。鳥の鳴き声も人の会話も「キレイだ」「気に入らない」「好きだ」などと“判断”するのではなく、「ああ、鳥が鳴いているな」「話し声が聞こえる」などとあるがままに“受け入れる”のがポイントです。

この“受け入れる”ことが自然にできるようになれば、日常で困難にぶつかっても必要以上に悲観的にならず、「ああ、こんなことが起きたな」とニュートラルに捉えられるようになります。

呼吸に注目することでさらなる健康効果が!

マインドフルネス瞑想は本格的な瞑想とは違い、座禅などの決まった姿勢もなければお寺など特別な場所に出向く必要もなく、どこでもできる瞑想法です。時間もかからないので、終業後に自宅で続けるのも簡単です。習慣化することで、オンとオフの気持ちの切り替えも上手くできるようになります。

マインドフルネス瞑想のポイントとなる「呼吸への注目」は、自律神経のバランスを整え、体を健康な状態に導く効果もあるとされています。

瞑想を脳科学の観点から研究した神経科学者サラ・レイザーは、瞑想をすることにより運動と同じようにストレスが軽減され、脳機能が好転することを発見しました。また、マサチューセッツ工科大学のマインドフルネスセンターの研究では、マインドフルネス瞑想を行うことで不安指数が下がったことはもちろん、免疫機能が向上する効果もあったことが明らかになっています。

こうした瞑想の効果は一流の経営者にも受け入れられています。どんなにタフな精神の持ち主でも、日々のストレスから逃れることはできません。大切なのは、それらのストレスをこまめに解消することです。心身の不調を感じている人は、気軽にメンタルケアができるマインドフルネス瞑想を試してみてはいかがでしょうか。 (提供: ヘルスグリッドオンライン

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