City
(写真=PIXTA)

不動産物件を選ぶときに、都心部にするか地方にするかは大きな選択の分かれ道です。それぞれにメリット、デメリットがあり、投資家によって感じる魅力は異なります。

ここでは、投資目線での、都心と地方の違いを比較したいと思います。

都心部の物件を選ぶメリットとデメリット

都心部の物件のメリットは、高い賃貸需要が見込めることです。人口が減っている日本においても、都心部には人が集まっています。さまざまな人が集まるため、独身に好まれるワンルーム、家族がターゲットとなる広めの間取りの物件など、需要がある部屋のタイプは多岐にわたります。

デメリットとしては、投資物件の価格が高いことが第一に挙げられるでしょう。特に人気のあるエリアの物件価格は軒並み上昇していきます。価格が上がり過ぎると利回りが下がり、投資妙味に欠けます。賃貸需要が高いエリアは競合も多く、賃料の下落圧力が高くなります。

地方の物件を選ぶメリットとデメリット

地方の物件のメリットは、都心部の物件と比べて投資金額が安く済むことです。投資金額が安くなれば、投資失敗時のダメージを小さく抑えられる可能性があります。投資物件の価格差ほど賃料には差がつかないので、結果として投資利回りが都心部に比べ高くなる傾向があります。

地方の中でも、中心となる都市の駅近く、大学や規模の大きな企業の工場などの近くの物件などは安定した賃貸需要を見込めます。

デメリットとしては、地方は人口や世帯が大きく増えにくいため、長期で見たときに都心ほど賃貸需要が長続きしない可能性があります。設備が良好な物件であっても、空室リスク、賃料下落リスクは高めとなります。

賃貸需要のもととなる周辺施設が移転されると、一気に空室が増えることもあります。特に大規模工場の従業員とその家族、大学の学生需要で埋まっていた物件で、その工場や大学がなくなると、需要がまったくなくなってしまいます。

どっちを選んでも一長一短

不動産投資は、安定的に賃料が受け取れるという期待から人気があります。国債投資などと比較すると利回りは高めの分、一定のリスクはあります。

都心と地方を比較すると、一般的には地方の投資物件のほうが利回りは高くなります。これは地方の物件のほうが都心と比べてリスクが高いということを意味します。ローリスクの物件は期待リターンも低いため、投資のうまみに欠けます。

地方でも賃貸需要の高めの人気エリアがあります。そのような投資物件に投資できれば、投資効率は都心部の物件を上回るかもしれません。

結局のところ都心と地方のどちらを選ぶにしても一長一短があり、投資家の投資スタイルやポートフォリオも関係します。

長期的な運用を行うのであれば都心の物件?

日本の人口は少子高齢化が進んでおり、長期的なスパンで見た場合には地方の空室リスクは上昇する可能性が高そうです。

不動産売買市場での流動性も都心の物件のほうが高く、換金性の観点からも所有することへの負担感が小さいといえます。

こう考えると都心物件への投資のほうが魅力的に映ります。しかし、これもリスクヘッジの観点からであり、地方にも長期的な運用に向いた物件はあります。

投資家自身が住んでいない地方物件を選ぶ際には、ローカルエリアの正しい情報と信頼できる人脈、そして物件の目利きが一段と重要です。一朝一夕で手に入るものでもありませんが、そうしたネットワークがあり、情報収集がしっかりできるのであれば、地方の物件への投資も検討してもいいのかもしれません。(提供: 不動産投資セミナー