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(写真=PIXTA)

働きやすい環境を作ることで優秀な従業員を抱え込み、企業の対外的なイメージもアップさせることができる福利厚生ですが、「どのタイミングで福利厚生を導入するのか?」というのは意外と悩みどころではないでしょうか。

今回はそれぞれの企業ステージごとの福利厚生のニーズと導入するメリット、考え方を解説していきます。

シーン1:創業期

まず創業期という企業の最初期には、どのような福利厚生を導入するかを考えることになります。現在は会社設立のハードルが下がったことからもベンチャーの起業が活発ですが、安定性を重視する求職者からは新しい会社は敬遠されがちです。

そこで充実した福利厚生によって会社としての魅力を高めることが、このシーンで福利厚生を導入するメリットとなります。一見すると軌道に乗る前の創業期に福利厚生へ資金を割くことは、経営を圧迫するように感じられるかもしれません。ですが、一口に福利厚生といってもさまざまあります。最近では福利厚生のアウトソージングを低価格で行うサービスも人気があるため、会社の色に合ったものを賢く利用することでコストやリスクを抑えることも可能です。

創業期から法人運営に福利厚生を組み込むことは、当然その後福利厚生にかかる手間をカットし業務に集中できるというメリットもあります。

創業期に導入する福利厚生としては、自社株を優遇して購入でき、収入インセンティブに直結する財形型のストックオプションや、有望な若手社員を集めるという意味で育児関連のものなどがおすすめです。

シーン2:成長期

創業からある程度時期が経ち、会社が右肩上がりに成長しているシーンでは、社員の健康面やプライベートの充足を図る福利厚生を導入しましょう。

この時期は、創業期に比べ資金繰りに余裕もでき、なおかつがむしゃらに働いていた役員や社員が一息つきたくなるタイミングでしょう。そのため、福利厚生を見直すことで公私にメリハリをつけ、成長期における業務効率を維持・向上できるというメリットがあります。

このシーンでは疲労やストレスをケアする医療系、ワークライフバランスを充実させるためのレジャー系など、生活および休日のサポートを行う福利厚生が適しています。

成長期の忙しい業務に日々追われていると、疲労をため込んでしまったり仕事への不満が積もったりしてしまうことがあります。福利厚生でリフレッシュの機会を与えることで心身をしっかり休ませ、また「社員を大切にしてくれる会社のためにも明日からまた頑張ろう」と気持ちを新たに仕事に打ち込めるようになるはずです。

シーン3:安定期

複雑な社内処理を必要とする福利厚生を導入する場合、人事部の負担が増えたり専門の部署を立ち上げ管理・運営を行ったりと、通常の業務に影響が出る場合もあります。そのため業績が急激に上下する状態を抜け、財務基盤と人員的余地も出てくる安定期のシーンでさらに社員のニーズに合った福利厚生を導入するのがおすすめです。

福利厚生を導入する理由としては、優秀な社員が辞めないようにするため、他社と差別化を行うため、といったものがあります。業績が安定している時期は気が緩み始める頃でもあるため、新たな環境でのやりがいや魅力的な条件に惹かれて別の企業へ転職してしまわないよう、社員のモチベーションを維持するために取り組む必要があります。介護・看護休業やリフレッシュ休暇、財形貯蓄制度などを取り入れると、社員は安心してより長く働くことができます。

安定したうえでさらに成長するためには、社員が一丸となって向上する姿勢が大切です。現在の職場環境が社員にとって働きやすいものであるか、経営者視点だけでなく、必要に応じて外部コンサルティングや社員満足度調査を実施し分析してみましょう。必要な福利厚生、あまり利用されていない福利厚生を見極めることで、余計なコストのカットにもつながります。

導入は会社の状況次第

福利厚生の目的は社員の保全です。早いシーンで福利厚生を導入すれば財務的に苦しく、後回しにすれば社内処理および刷りあわせで苦労する、といった短所もあるかもしれません。

いつ福利厚生を導入するかは経営者の判断次第ですが、「優秀な人材と良質の仕事を確保する」という福利厚生の役割を念頭に置いたうえで、自社の状況を見ながら適切なタイミングを計るようにしましょう。(提供: フクリ!

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