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(写真=PIXTA)

電気代の支払いやVISAプリペイドカードとの連携が相次いで報道され、仮想通貨であるビットコインはオンライン上から一般消費へと利用シーンの広がりをみせています。仮想通貨は今後、ますます流通を拡大して私たちの生活に浸透していくことは間違いないでしょう。

2009年1月に生まれたビットコインですが、当初は通貨としての価値はありませんでした。1人のエンジニアが1万ビットコインとピザ2枚を交換したことをきっかけに、通貨としての売買がスタートしたのです。今では急激にその価値を高め、通貨単位あたり7万5,000円前後(2016年11月時点)に成長しました。

仮想通貨は投資対象としてどうなのか? 電子マネーとの違いは?

ビットコインにまつわる話は良くも悪くもいくつかあります。

初期から保有していた人たちが、数百から数千億もの巨万の富を築いたというサクセスストーリーがありました。一方で、取引所がハッキングによって300億円以上もの盗難にあい、経営破綻した事件もありました。こうした話から、一攫千金を狙いたくても痛い目にあいそうで、近づきがたい印象も受けます。

ビットコインなどの仮想通貨は、円やドルのように紙幣や硬貨が存在しているわけでなく、インターネット上の暗号(数字)をやりとりします。実際の通貨を使わずに金銭のやりとりをするところは電子マネーに似ています。しかし、電子マネーは使える範囲がエリアや企業などで限定されているのに対し、仮想通貨は全世界共通で使える「通貨」であるという違いがあります。

どのような仕組みで流通しているのか、利用するうえでのメリットとデメリットを見ていきましょう。

仮想通貨の主な特徴3つ

1. 発行管理者がいない

従来の通貨では、政府や中央銀行といった管理者が通貨発行をコントロールするのに対し、仮想通貨は管理者が存在しません。その代わり、利用者たちがネットワーク上で唯一かつすべての取引履歴を、相互に保管しあいます。通貨の発行はこの取引履歴の健全性を維持するために、有志が供出する計算資源が行った計算に対して行われます。この計算によって新しい通貨を発行する行為を採掘(マイニング)と呼び、発掘を行うための計算を行うものを採掘者(マイナー)と呼びます。そして、新しく発行された通貨は、マイナーに対して報酬として支払われます。

2. 不正な発行(発掘)や悪用防止のため暗号化の技術を使う

仮想通貨の大きな特徴として、ブロックチェーンと呼ばれる取引履歴があります。ブロックチェーンでは、一定期間で発生した取引の履歴がブロックと呼ばれる単位で記録され、各ブロックはそのブロックが作られる前に行われた取引履歴である、別のブロックのIDを保有しています。これを遡ると、過去全ての取引履歴を確認することができるのです。この過去から現在までの取引履歴であるブロックが時系列でつながっていることが、ブロックチェーン(ブロックの鎖)と呼ばれる理由です。

ブロックチェーンは二重取引や改ざん対策として、公開鍵暗号を利用した署名・暗号学的ハッシュ関数・確率などのファクターを使い、安全性を担保しています。

3. 海外への送金にかかるコストと手間が少ない

海外へ送金するときには、国内での送金と異なり「送金手数料」「為替手数料」「受取手数料」という3つのコストや手間がかかります。送金手数料の相場は4,000円ほど、為替手数料は1ドルあたり1円ほど、受取手数料は相手側の金融機関で決められています。個人で海外へ送金する場合に、1回あたりの手数料がこれだけかかると大きな負担になりますが、仮想通貨であれば世界中どこへでも一律数円です。

送金にかかる時間も、通常の金融機関で数日、新興国では2週間もかかることがありますが、仮想通貨は約10〜30分で済みます。

法定通貨との比較

ここまで見てきた仮想通貨の特徴を、税金や安全性の観点も加えてまとめてみます。

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仮想通貨は、法定通貨のように中央集権的な管理をしないことで手数料がほぼゼロに抑えられるため、手数料負担が大きかった海外送金が格段にスムーズになります。さらに暗号化技術によって不正を行うことがほとんど不可能であるため、従来の紙幣よりも安全に使うことができます。

デメリットとしては、即時決済ができないことが挙げられます。現状の仕組みにおいてはスーパーのレジや自動改札など、即時性を求められる利用シーンには適さないようです。

現在、仮想通貨の取得には消費税がかかりますが、2017年春をめどに非課税となる見込みで、ますます通貨としての存在感を発揮しそうです。一般的な消費活動では、仮想通貨を利用できる店舗が増えるでしょうし、手数料の負担がネックとなり少額商品の海外展開ができなかった企業には、大きなチャンスが到来するといえるでしょう。また海外拠点が複数あるような企業では、給与が仮想通貨で支払われる日が来るかもしれません。

今後も目が離せない仮想通貨、自身の生活で取り入れられるか今から考えてみてはいかがでしょうか。(提供: IFAオンライン

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