デロイトトーマツ・グループのリーダーシップ機関、デロイトユニバーシティが、世界130カ国、7000人のエクゼクティブおよびHR部門責任者を対象に実施したサーベイから、新たな組織構造やリーダーシップ強化を重視する企業が増えていると判明した。
人材確保のうえで重要となる「エンプロイー・エンゲージメント(従業員と企業が互いに貢献することで成果につなげるという概念)」を深めるために、国際的多様性あふれる若いリーダーが統率する新たなマネージメントが求められている。
新組織設計、リーダーシップ強化、社風改善が三大重要課題
優秀な人材を惹きつける最重要課題として、回答者の92%が「組織設計」、89%が「リーダーシップ」、86%が「社風」をあげている。しかし現時点で「組織再編の準備が整っている」と答えたのはわずか14%。「従業員にとって効率的なネットワークを構成する戦略」があるのは12%だ。
組織の生まれ変わりには強いリーダーシップが必要とされる。56%が「自社には適格者がいない」と自覚しているが、「ミレニアル世代のリーダーを育成するためのプログラムがある」のは、たったの7%だ。44%が「投資額を増やすなどして取り組んでいる」ものの、目に見える成果にはつながっていない。
「社風」を最重要課題とするエクゼクティブは昨年のサーベイよりも若干減ったが、「エンプロイー・エンゲージメントを促進するうえで、社風は重要な要素である」との考えは根強い。また従業員との関わり合いや経験をとおして、「なにかを学びとる」ことに熱心なエクゼクティブは84%にも達している。
地域ごとの課題を見てみると、アジアおよびアフリカ地域で、新たな組織設計や強いリーダーシップへの要望が最も高まっている。産業では金融、生命科学、医療、製造における改革の活発化が目立つ。
機械的に組織再編やリーダーシップ交代劇を繰り返すだけでは、本当に直面している課題に取り組むことはできない。市場の変化に対応するには、自社の能力を最大限に引きだせる強力なリーダーシップは勿論、従業員のモチベーションを維持できる労働環境や効率的なネットワークの構成が不可欠となるだろう。(ZUU online 編集部)
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