口座から即座に利用金額が引き落とされるデビットカードだが、すべてのデビットカードが同じではなく、いくつかの種類に分かれている。どのような種類があるのか、デビットカードを選ぶ際にどのようなことに注意が必要なのかについて説明する。
目次
デビットカードとは?
デビットカードは、金融機関の口座に直結しており、支払いを行ったその場で口座から引き落とされるカードだ。例えば、レストランで食事をしたあとの会計で、デビットカードでの決済を告げれば、利用した金額がその場で口座から引き落とされるのだ。
デビットカードの所有は多くの場合、銀行や信用金庫などに口座があることと、年齢が一定以上(中学生を除く15歳以上もしくは16歳以上とされていることが多い)ということだけが条件となっている。審査が不要なので、審査に不安がある人や未成年も申し込むことができる。
クレジットカードとデビットカードの違い
クレジットカードもデビットカードも、カードに記載されたマークがある加盟店舗やATMで利用できるという点は同じだが、相違点もある。
支払い回数や方法を選べるかどうか
クレジットカードでは、支払い回数(1回もしくは2回など)や支払い方法(一括払いやリボルビング払いなど)を選択することができるが、デビットカードは1回払いしか選ぶことができない。会計で「お支払いはいかがしますか?」と問われたときに、クレジットカードなら「2回払いでお願いします」と答えることもできるが、デビットカードで支払うなら無条件で1回払いになってしまうのだ。
口座残高以上の利用ができるかどうか
クレジットカードでは、利用限度額以下ならその時点で口座残高が少ない場合でも決済することができる。だが、デビットカードは口座残高を超えるショッピングやサービス利用には使うことができない。
利用のたびにお知らせメールを設定できるかどうか
クレジットカードでは支払いは月に1回で、ショッピングやサービス利用に使うたびに何らかのお知らせが届くということはない。だが、デビットカードは利用の時点で口座から利用額が引き落とされ、そのたびごとに利用したことを知らせるメールを送信するよう設定できるカードもある。どれくらい利用したかをこまめにチェックしたい人にも、不正利用に早く気づきたい人にもうれしいサービスだといえるだろう。
デビットカードの種類を紹介
デビットカードには、いくつかの種類がある。それぞれどのような特徴があるのか紹介する。
海外利用が可能なデビットカード
デビットカードは、J-Debit、JCB、VISAなどのいずれかに加盟しており、それぞれ加盟のマークがついている。このうち、JCBやVISAなどの国際クレジットカードブランド加盟のデビットカードは、海外でも利用することができる。
海外のJCBやVISAの加盟店で、ショッピングや食事、各種サービスの支払いに利用できるだけでなく、現金が必要なときにはショッピングセンター、ホテル、銀行、空港などにあるATMから現地通貨を引き出すことができる。JCB加盟のデビットカードならJCBかCirrus、VISA加盟のデビットカードならVISAかPLUSのステッカーが貼られたATMが利用可能だ。
キャッシュカードと一体型のデビットカード
銀行のキャッシュカードとデビットカードが一体型になったものもある。1枚で銀行からの引き出しにもショッピングにも利用できるので便利である。
ブランドデビットカードとJ-Debitの違いとは
国際クレジットカードブランド加盟のデビットカードとは異なり、J-Debit加盟のデビットカードは海外では利用できない。国際クレジットカードブランド加盟のデビットカードには年会費がかかるものもあるが、J-Debitは基本的に入会費も年会費も無料だ。
その他にも、引き落としに利用できる金融機関が異なる。国際クレジットカードブランド加盟のデビットカードは、引き落とし口座が都市銀行やネット銀行などに限定されていることが多いが、J-Debitは地方銀行や第二地銀、信用金庫、信用組合、労働金庫、JA系や漁協系の金融機関も指定することができる。
また、利用できる店舗数も異なる。例えば、JCBデビットカードは国内だけでも約1000万店舗(2015年度)で利用できるが、J-Debitは約45万カ所(2013年1月21日時点)でしか利用できない。
引き落とし口座と利用場所でデビットカードを選ぶ
国際クレジットカードブランド加盟のデビットカードを選ぶか、J-Debit加盟のカードを選ぶかの基準は、引き落とし口座をどこにするのか、どこでデビットカードを利用したいのかによる。普段メインで利用している口座が利用可能なデビットカードを選べば便利だろう。