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(写真=PIXTA)

「財形貯蓄」という言葉を聞いたことがあるという方は多いだろう。新入社員のときに、先輩から勧められて加入したという方もいるかもしれない。

確かに、財形貯蓄はメリットのある制度だ。しかし、場合によっては自身で運用したほうがお得という場合もあるのだ。今回は、財形貯蓄の基本的な内容から、その税制面のメリット、金利について解説していく。


財形貯蓄制度とは

「財形貯蓄制度」とは、勤労者財産形成促進法に基づき企業が導入する福利厚生の一つである。

企業が毎月の給与から一定額を天引きして金融機関に送金を行うという、会社を通して貯蓄を行う制度で、加入は任意だ。財形貯蓄制度は誰にでも利用できるものではない。個人での加入はできないため、勤務先がその制度を導入しているかどうかが制度を利用できるかどうかの分かれ道である。

財形貯蓄には、貯蓄の目的に応じて3つの種類がある。「一般財形貯蓄」は、使用する用途が限定されていない貯蓄である。財形住宅貯蓄は、自身が住む住居の購入や建設、リフォームなどの資金を貯めることが目的の貯蓄で、原則としてそれ以外の用途では利用できない。財形年金貯蓄は、老後の生活のための資金を貯めるもので、こちらもそれ以外の用途には利用できないことになっている。

「利用できない」と述べたが、正確には「利用できない」のではなく「メリットがなくなる」のである。次の項で詳しく解説する。

財形貯蓄制度のメリット・デメリット

どの財形貯蓄にも当てはまるメリットの一つに、「財形住宅融資」という制度を利用できるという点がある。これは、住宅の購入、建築、リフォームを行う際に住宅金融支援機構から融資を受けることができる制度だ。住宅を購入するときにはローンを組むという方が大半だろう。その場合、低金利で融資を受けることができる可能性がある。

条件は、いずれかの財形貯蓄を1年以上継続していること、申し込み前2年以内に財形貯蓄の預け入れを行っていること、申し込み時点で財形貯蓄の残高が50万円以上あること、勤務先から住宅手当などの援助(負担軽減措置)が受けられることである。購入などに必要な費用の90%か、財形貯蓄の残高の10倍(最大4000万円)のいずれか低いほうの金額が融資限度額となる。

それに加え、財形住宅貯蓄、財形年金貯金は税制面でのメリットがある。それぞれ元本550万円までにかかる利子が非課税になる。保険商品を選ぶこともできるがその場合には385万円までとなる。財形住宅貯蓄、財形年金貯金の両方を利用している場合は、その合計額が550万円以下であることが必要だ。

デメリットは、選ぶ商品によっては「元本割れ」の可能性があること、一般財形貯蓄には税制面の優遇がないこと、一般財形貯蓄から財形住宅貯蓄への変更ができないことが挙げられる。加入する前に用途を明確にし、他の金融商品と比較検討してみることが必要だろう。

財型貯蓄制度の金利の考え方

積立定期預金などの商品と同様、財形貯蓄制度を利用すると「金利」がつく。通常の預金であればその金利は課税対象となるが、財形住宅貯蓄や財形年金貯蓄は前述のとおり、その金利部分が非課税になる。

各商品により金利は異なるが、税制面でのメリットを含めて考えると、同じ金利ならば財形貯蓄のほうが有利ということになるだろう。まずは、勤務先の担当部署に、どのような商品があるのか確認してほしい。

また、財型貯蓄のメリットは大きいが、商品によっては自身で運用したほうがいいという場合もあるので、それぞれ節税できる金額と利子を含めたトータルの貯蓄額を計算してみてほしい。

財形貯蓄を解約する場合の税金の扱い

財形貯蓄を解約する場合には、注意しなくてはいけない点がある。財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄は税制面でのメリットがあると説明した。この税制面でのメリットは、その目的以外で利用する場合(解約をする場合)には、遡って5年分までの利子分が「利子所得」として課税対象となる。

例えば、住宅費用のために財形住宅貯蓄をしていたが、どうしても資金が必要になり解約したという場合には、過去5年分の利子に対しての優遇がなかったこととされ新たに課税されるのだ。ということは、税金を納めれば、解約することもそれ以外の用途で利用することも可能ということになり、一般財形貯蓄と同じ扱いになるということである。

一般財形貯蓄はお得?

一般財形貯蓄には税制面でのメリットがないため、自身で高金利の金融商品を運用するほうが得をするという場合があるだろう。しかし、もしあなたが「いつかはマイホームを」と考えているならば、財形住宅貯蓄に加入してみてはどうだろうか。財形住宅貯蓄として加入しておけば住宅購入の際にメリットがあるし、それ以外の用途で利用することになっても一般財形貯蓄と同じ扱いとなるだけである。マイホームがほしいが貯金は苦手という方は、ぜひ財形貯蓄を検討してほしい。