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さらに不透明感が増しそう

2017年「世界の主要経済イベント」 黒田総裁は真価が問われる年

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

2016年は英国が6月の国民投票でEU離脱を選択、11月は米次期大統領にトランプ氏が決定と、想定外の大きな出来事が続いた。17年はこの2つの世界政治・経済への影響が顕在化するほか、欧州主要国で重要な国政選挙が相次ぎ、ますます不透明感が増しそうだ。17年の世界の主要イベントを整理してみよう。

17年の世界経済はさらに不透明感が増しそう

年明け早々の1月20日には米大統領にトランプ氏が就任し、予算教書を発表する。同氏は選挙期間中、自国の社会・経済の立て直しを最優先する「America First(アメリカ第一)」主義を旗印に、大幅な減税・インフラ投資、自由貿易協定からの離脱、不法移民の一部追放など、数々の「大胆な」政策を打ち出している。

このうち米国経済に端的な影響を及ぼすと見られるのは、10年間で6兆ドルの減税、5000億~1兆ドル規模といわれるインフラ投資の公約だ。トランプ氏は就任後100日以内、つまり4月末頃までにこれらの法制化を目指すとしているが、それが実体経済に波及するのは年後半以降になりそうだ。

税制変更は通常、年初から適用されるため、効果が現れるのは18年以降と見られる。過去には変更決定の年初(すなわち今回の場合は17年1月1日)に遡って実施されたこともあったが、足元の財政赤字が拡大していることや景気が堅調であることを踏まえるとやはり18年から実施されると考えるのが自然である。

一方のインフラ投資への財政支出は10月からの17/18新年度予算に組み込むことになるため、効果が現れるのは早くとも17年末近くになる。取り急ぎ民間資金を活用するケースも考えられるが、その場合も計画立案や出資企業・資金の調整が必要なため、実際に動き出すのは夏以降になろう。

米新政権の政策効果は早くとも年後半以降

以上はトランプノミクスの直接的影響だが、これが民間需要を誘発する可能性は高い。税率やインフラ投資計画などが具体化すれば企業、個人は先行きを楽観して支出を増やすかもしれないからだ。これが前倒しで出れば米国経済が年前半から強含むこともあるだろう。

そうなると逆に心配なのはインフレ進行のしすぎである。現在は概ね年3回、合計0.75%の利上げが見込まれているが、この回数が増える、あるいは1回の上げ幅を拡大する必要が出てくるかもしれない。その場合は企業業績や住宅販売にマイナスに働き、景気にブレーキがかかる懸念が浮上する。

外交・貿易面では新政権が相手国にどれだけ強硬な姿勢で臨むか不透明なことから経済への影響は未知数だ。保護主義的な政策を強行するようなら、米国のみならず世界にマイナスに作用する。ただ、交渉には時間を要すると見られ、影響が現れるのは18年以降と見てよいだろう。

欧州:英EU離脱の影響、主要国で相次ぐ国政選挙

欧州では、英国が17年3月末までにEU離脱通告を行う見込みで、正式な交渉はそこから始まる。英国は原則2年の交渉期限内にEUやその他の国・地域と新たな関係構築に向けて協議する。EU側は「いいとこ取りは断じて許さない」と懲罰的な姿勢を崩していないことから、英国は何らかの経済負担を負わない限り、域内関税免除を始めとするEU加盟のメリットのほぼ全てを失う公算が大きい。

英国の実質GDP成長率は、先のOECD世界経済見通しによると16年の2.0%から17年は1.2%に鈍化する。EU離脱を睨み、内外の企業は新規の投資や雇用を控えるだろう。ポンド安による物価上昇で消費者も苦しい。海外への企業・拠点の移転や人材流出が17年から目立つようになればさらに景気下振れリスクが高まる。

大陸欧州では主要国の国政選挙が相次ぐ。3月はオランダ議会、4月から6月にかけてフランス大統領・議会、9月にドイツ連邦議会の選挙がある。イタリアの総選挙が17年に前倒しされる可能性もあるようだ。

これらの国で勢いを増す極右勢力が主導権を握る可能性は今のところ低いと見られているが、影響力を強めればEU離脱や移民・難民排斥運動とそれが誘発するテロなど欧州の政治・経済にマイナスとなる動きが出てくる恐れがある。ドイツは17年のG20議長国になる。各国の財政出動機運が高まるなか、財政規律を重んじるメルケル首相の舵取りに注目したい。

中国:不動産バブル崩壊、人民元切り下げが懸念材料

中国は、17年に経済成長が若干鈍化するとしても6%以上の高い伸びが続く見通しだ。政府は16年10 月に一部大都市などで住宅貸付・購入に対する規制を強化したが、不動産バブル崩壊で景気が急減速する懸念は未だ残る。これにより株価も下がれば、行き場を失った投資マネーが海外に大量流出し、元安が加速するリスクがある。これを防ぐために中央銀行が再び人民元切り下げに踏み切る可能性もないとは言い切れない。

中国では企業部門の対外債務が急膨張しているため、元安はデフォルト(債務不履行)を助長する方向に働く。そうなれば国内だけでなく他の新興国にもダメージが及び、円やユーロ、ドルなどの先進国通貨が相対的に上昇するなど、国際金融市場を揺るがしかねない。安全資産とされる日本円が対ドルで上昇することも考えられる。

日本:デフレ含みの低成長続く

日本は引き続き実質1%程度の低成長が続きそうだ。消費者物価(変動の大きい生鮮野菜を除く)は16年3月以降、マイナス0.3~0.5%とデフレ基調がここへきて再び強まっている。17年の賃上げ動向が注目されるが、政府が16年12月にまとめた「同一労働・同一賃金」指針案を横目に、経営者がおいそれと大盤振る舞いをするとは考えにくい。

16年8月に打ち出した大型経済対策による浮揚効果は17年夏頃には一巡しそうだ。そこで再び景気対策を発動し、国債を増発するようなことになれば、2020年度にプライマリーバランスを均衡させる目標は遠のく。目標を先送りするようなことにでもなれば、日本国債に対する信認低下とそれによる金利急騰が心配だ。

以上見てきたように、2017年は世界経済の不確実性がさらに高まる波乱の年になるかもしれない。米国新政権の各種政策が具体化する度に、各国は対応を迫られることになるのだろう。なかでも政治・経済面でつながりの深い日本はトランプ政権に振り回されるかもしれない。OECD見通しでは世界全体の成長率が16年の2.9%から17年は3.3%に拡大する予想だが、下方リスクが高いようにも思える。

このところ、就任前の米大統領との異例の接触や、G7制裁下にあるロシアのプーチン大統領との首脳会談など、拙速と批判される外交を展開する安倍首相、そして金融緩和の効果を疑問視される黒田日銀総裁にとって、17年は真価が問われる年になりそうだ。(シニアアナリスト 上杉光)

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